セビーリャの大聖堂、アルカザル、インディアス古文書館(スペイン) | 世界遺産検定のお勉強ブログ(現在休止中)

セビーリャの大聖堂、アルカザル、インディアス古文書館(スペイン)

植竹です!

今回は
スペインセビーリャの大聖堂、アルカザル、インディアス古文書館
を紹介します!

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公式テキストキャッチフレーズ
イベリア半島の歴史を映す建築物群

セビーリャの大聖堂、アルカザル、インディアス古文書館
スペイン


登録年…1987年
拡張年
危機遺産登録

英名…Cathedral, Alcázar and Archivo de Indias in Seville
仏名…La Cathédrale, l'Alcázar et l'Archivo de Indias de Séville


位置…スペイン南西部セビーリャ
経緯…N37 23 1.824 W5 59 29.58
面積…資産12ha 緩衝地帯187ha

登録区分…文化遺産
登録基準…(1),(2),(3),(6)
登録ID…383bis




公式テキスト分類…ヨーロッパの教会・聖堂・修道院
公式テキスト掲載ページ…第③巻41p
公式サイトユネスコ本部(英語)

概要
スペイン南西部のセビーリャにある大聖堂、アルカサル、インディアス古代文書館はそれぞれキリスト教勢力の時代、イスラム勢力の時代、アメリカ大陸との交易を始めた時代の象徴となる建築物です。



構成
大聖堂
本来イスラム教のモスクだったものをレコンキスタ後にキリスト教の聖堂に改修したもの。1401年にも再建が行われ、このときは工事に125年も要したため、ゴシック、ゴシック・リバイバル、ルネサンスなどの様式が複雑に入り混じる特殊な建築物となりました。構造は五廊式でカトリック教会としてはトレドの大聖堂と並んでスペイン国内最大です。ヨーロッパでも第3位。
礼拝堂にある祭壇衝立はカトリック教会の中では最大です。
コロンブスの墓があることでも有名です。
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また、隣接するヒラルダの塔は16世紀にイスラム教のミナレットを改修して作られた98mの鐘楼で街のシンボルとなっています。

アルカサル
建設時期には諸説ありますが、イスラム教徒の入植とほぼ同時期だと考えられています。アラビア語で要塞や宮殿を意味するアルカサルはレコンキスタ後に歴代王によって改修が加えられ、イスラム、ムデハル、ゴシック、ルネサンスの4様式が混在する建物となりました。
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インディアス古代文書館
1583年に着工し、マドリードのエル・エスコリアール修道院と同じ、フアン・デ・エレーラという設計者によって建てられました。ルネサンス様式の建物で、スペインが新大陸(アメリカ)との貿易を始めた時代に商品取引所として使われました。1784年から新大陸発見からの情報集約を目的に古文書の収集が行われ、その所蔵所に選ばれました。当時、新大陸の調査を行っていた集団がインディアスの記録者と呼ばれていたため、この名前が付きました。
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歴史
もともと紀元前にはこのあたりに集落が形成されていました。
古代ローマの時代にはカエサルによって多民族の建築物をつかった植民市が建造されました。

711年には
イスラム勢力の支配下にはいり、アルカサルもこの頃建設されたと考えられています。

13世紀には
レコンキスタでキリスト教勢力に奪還され、アルカサルやモスク(大聖堂)にも改修が加えられました。

1401年~1526年には
大聖堂が125年の歳月をかけて再建されました。

また、もともとミナレットだったヒラルダの塔が改修されたのもこの頃、16世紀の話でした。

1583年からは
インディアス古代文書館となる建物が建てられました。
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1987年には
文化遺産として世界遺産に登録されました。




特徴
イスラム、キリスト教、新大陸との貿易など、イベリア半島ならではの特別な歴史を物語る建物群が残されています。


逸話・伝説
アルカサルはアラビア語で宮殿や要塞を意味しましたが、転じてスペイン語でも王宮を意味するようになりました。

登録基準詳細
(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。




関連用語
レコンキスタ
718年から1492年までに行われたキリスト教国によるイベリア半島の再征服活動の総称である。ウマイヤ朝による西ゴート王国の征服と、それに続くアストゥリアス王国の建国から始まり、1492年のグラナダ陥落で終わる。
ムデハル
イスラム要素とキリスト教的西洋要素が混在した様式。
五廊式
列柱が左右各2列ずつのもの。
ミナレット
モスクへの礼拝を呼び掛けるための塔。





関連遺産



☆☆植から目線コメント☆☆
イベリア半島が大昔にイスラム勢力に支配されていたのは
もうここでも有名な話ですが、
それぞれの時代を象徴する建物が
こんなに残っているのも素敵ですね!

植竹でした。