マルタの巨石神殿群(マルタ) | 世界遺産検定のお勉強ブログ(現在休止中)

マルタの巨石神殿群(マルタ)

植竹です!


マルタ共和国の世界遺産第3弾です。
マルタの巨石神殿群を紹介します!

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公式テキストキャッチフレーズ
世界最古の巨石建築

マルタの巨石神殿群
マルタ共和国


登録年…1980年
拡張年…1992年
危機遺産登録

英名…Megalithic Temples of Malta
仏名…Temples mégalithiques de Malte


位置…マルタ島・ゴソ島
経緯…N36 2 56.688 E14 16 10.092
面積…??

登録区分…文化遺産
登録基準…(4)
登録ID…132bis




公式テキスト分類…ヨーロッパの化石と先史時代の遺産
公式テキスト掲載ページ…第③巻104p
公式サイトユネスコ本部(英語)

概要
地中海の中央部にあるマルタ共和国があるマルタ島と隣のゴソ島で発見された約30件の巨石建築の遺跡で紀元前3600年~前2200年頃つくられた世界最古の石造建築と言われています。



構成

★ゴソ島
ジュガンティーヤ神殿
最も保存状態がよく1980年に最初に世界遺産に登録された遺跡です。それぞれ5つと3つの部屋を持つ左右対称の部屋があり、これら対になった神殿は紀元前5000年くらいから存在した女性崇拝にもとづいて女性の乳房を模したものと考えられています。世界的にも最古の宗教施設の1つと言える施設です。
神殿には豊穣を祈る祭礼が行われた巫女の祭壇や生贄を捧げる穴、ヘビの絵が描かれた石、石造の巨大な男根像などがあります。
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★マルタ島
1992年の範囲拡大で追加登録された5つの神殿。
スコルバ
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ハジャーイム
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ターシェン(タルシーン)
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タハージュラ
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イムナイドラ
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歴史
紀元前5000年頃から
この地では女性崇拝があったと言われています。

紀元前3600年頃には
巨石神殿が建てられ始めました。

時が下ってもゴソ島では住民には遺跡の存在は知られていましたが
1827年
ゴゾ島の州副知事の命令で遺跡周辺の瓦礫が撤去されました。
(ちなみにこの瓦礫については詳しい調査がなされなかったそう)

ゴソ島の遺跡周辺は私有地でしたが
1933年
政府が買収して、それ以降、考古学的な調査が幾度も行われました。

1980年には
ゴソ島のジュガンティーヤ神殿が文化遺産「ゴソ島とマルタ島の巨石神殿」として第3回世界遺産委員会会議で世界遺産に登録されました。

1992年には
マルタ島の5神殿も含めて世界遺産登録範囲が拡大され、名称も「マルタの巨石神殿群」に変更になりました。



特徴
最大の特徴は巨石を積み上げてつくられた神殿で、紀元前3600年頃からの新石器時代につくられた世界最古の石造建築だと言われています。神殿の建材には加工しやすい石灰岩が使用され、外壁の岩は高さ6mもの巨石が使われています。
初期のものはただ巨石を積み上げただけのシンプルな神殿ですが、時代が進むにつれて、巨石が隙間なく積まれたり、レリーフが散見できるなどの装飾性も備えて行きました。


逸話・伝説
巨石神殿はいずれも金属を用いずに火打石や黒曜石など初期の石器を使って築かれたと言われていますが、どのように当時の人々が巨石を運んだのかはまだわかっていません。考古学者の間ではテコやコロの原理を当時から人々が知っていたという推測を発表しています。
・生贄の穴からは多数の動物の骨が出土しているため、生贄には動物が捧げられたものだという見解がなされています。

登録基準詳細
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。



関連用語
火打石 鋼鉄片の火打金に硬い石を打ちあわせて出る火花を火口に点火する「火花式発火法」に用いる硬質の石、またその発火具。
黒曜石 火山岩の一種、及びそれを加工した宝石。



☆☆植から目線コメント☆☆
ここ数日間で3つマルタの遺産を紹介してきましたが、マルタは小さい国なので、2012年現在、世界遺産はこの3つのみです。
それにしても5500年も前の信仰の証が今でも見られるのは貴重な事です。
当時から豊穣と多産は結びつけられて女性が崇拝されていたという点も面白いです。
そして多産という事で残されている女性像もどっしり安産体系なのが西洋美術以前の原始的な崇拝を物語ってるなぁって個人的に思いました。
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植竹でした。