『アンドロイド0指令』

オープニングのクレジットで、特撮スタッフの

表示が無い。つまり本編班のみで製作された

珍しい回。経費節約回。

宇宙人が密かに地球に潜入し、侵略準備を着々と

進めていた、というパターン。

ポインター車内で、フルハシがダンを名乗るカットの

ソガの演技が大人っぽい芝居でイイ。

阿知波さんはこういう芝居をする。『勇気ある戦い』の

ラスト、美人とイチャイチャするダンの場面で、

ソガがアンヌを「おい」とからかう。あの「おい」の言い方も

大人番組みたいでカッコいい。『宇宙囚人303』の時の

「敵も飛んでるんだぞ」の言い方もシリアスでカッコいい。

二枚目のセンで芝居をしたがる俳優だったらしい。

デパート店内のアナウンス(アナウンスの必要性は疑問だが

リアルさより映画的ショックを優先)とか、

ダンとソガの前にじいさんとゼロワンが出現する場面は、

後年の宇宙刑事を連想させる上原氏らしい作風。

夜中のデパートの不気味さとかいろいろ工夫しているが、

見せ場・クライマックスが弱いという欠点は拭えない。

宇宙人の作戦が未然に防がれてしまうので見せ場が弱い。

経費節約回だから仕方ないが。

チブル星人も、登場から1分も経たずに死んでしまう。

(とても魅力的なデザイン。フィギュア持っている)

チブル星人の製作費は高額だろうに、実にゼイタクな使い方。

こういう回を見ると、ヒーローと怪獣の戦いの面白さで

見せるのではない、『ウルトラマン』から発展進化した作品を

『セブン』が目指していたことがよくわかる。

物語の面白さで見せようとしてる。

じいさんが公園からアジトに帰る時、貨物車の横を歩く

カットがカッコいい。満田監督のセンスが出てる。

 

『怪しい隣人』

前週の話と同じく、潜入型宇宙人の話。

少年が事件の手がかりをつかむ。宇宙人のSF的な戦略。

地上での戦いがあり、その後宇宙でも戦いが展開されるという

企画書に忠実に即した作品という印象。

イカルスは人間体の時は堂々としているが、巨大化すると

ヘンな動きをする。違和感あり。

キュラソとイカルスは元々はデザインが逆だったという説が

あるが、本当なのだろうか。

 

『V3から来た男』

ソガがクラタに出撃を促す場面、参謀がクラタに鍵を渡す場面、

ダンがソガに出撃を提案するときのソガの態度など、

人間の芝居が凝っている。市川氏はこういう味を『セブン』に

持ち込もうとしたのだろうか。シナリオを見てみないと

確認できないが。

それを除けばオーソドックスに物語が進んでいる印象。

円盤内に人質がいるのに、隊長とクラタが円盤を攻撃するのは

やはり「?」な感じがする。