ウルトラマン「小さな英雄」  脚本金城 監督満田

円谷チャンネルで無料配信してるので再見。DVDも持って

いるのだが。

これは金城氏の最高傑作かもしれないね。自信満々、

余裕綽々、惜しげなくアイデア満載で書かれた作品。

怪獣語翻訳機のカットが長い。金をかけて作った小道具なので

長く映さないといけなかったのかな。当時の円谷には、

金がかかったカットは長く使うという雰囲気があったというから。

ゲスト怪獣がドラコとテレスドンというのが惜しい。メインの

ジェロニモンと顔のイメージが似てるから。ぬいぐるみ調達の都合で

仕方なかったんだろうが、まったく違うイメージの怪獣だったら

もっとバラエティ感が出たと思う。ちなみにシナリオではレッドキング、

ゴモラだった。

怪獣が出現するのも、山の中でなく都会だったら……と感じる。

当時のスタッフに、もっと潤沢な条件で「ウルトラマン」を製作させて

あげたかった。もう二度と、あんな有能なスタッフは望めないの

だから。当時としては破格の好条件だったのは知っているが、その

3倍くらいの金をかけさせてあげたかったね。

「ウルトラマンは、全力を尽くした時にだけ、力を貸してくれるんだ!」

というセリフがあるが、これは後年の「帰ってきた…」でシリーズの

テーマとなる。

金城は「ウルトラマン」のドラマ構造が持つ欠点に、ちゃんと気づいて

いたのである。「帰ってきた…」は金城のレールの延長線上にあると

いえよう。