1993年に放送された、NHKBSの
ウルトラマン特番で、金城哲夫さんについての
ドキュメンタリーが放送されました。
そのエンディングナレーションです。




海洋博閉会式の最後には、日の丸と、4本の沖縄県
の旗がいっせいに掲げられた。沖縄県の旗が、
日の丸を仲良く取り囲む。その構図が、金城哲夫の
メッセージだ。金城哲夫は最後まで、対立する両者の
はざまに立ち、懸け橋になろうとするウルトラマン
そのものだった。だが、金城哲夫の書くウルトラマンに
ハッピーエンドの作品は無い。
海洋博閉会式演出の直後、金城哲夫は二階の書斎へ
向かう階段から誤って落ち、37歳の若さで
帰らぬ人となった。

(ここでセブン最終回のダンの告白が入り)

ウチナーンチュでもヤマトンチュでも、僕は僕に
変わりないんだ。この最終回で金城哲夫はそう
言い残して沖縄へ帰って行きました。
東京に出てきたことで自分の中の沖縄の存在に
気付き、そして自分は一体何者なのかを考え続け、
作品の中でも問い続けた金城哲夫。
でも本来、自分はいったい何者なのかという
問いは、人間だれしもが生涯抱き続ける疑問だと
思います。その永遠の疑問に悩み苦しみ、決断する
金城哲夫=ウルトラマンの姿が焼き付けられて
いるからこそ、金城哲夫のウルトラシリーズは、
永遠の名作になったのではないでしょうか。