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作詞家の山川啓介さんが亡くなった。

私にとっての山川さんは、
宇宙刑事シリーズの歌の作詞家である。

「宇宙刑事シャリバン」 初めて見た時は驚いた。
まず レーザーブレードBGMの完成度の高さ。
今どき(当時・1984年)テレビでこんな完成度高いもん
作る奴がいるのかと思った。
これは渡辺宙明氏の作曲で、「マジンガーZ」
「キカイダー」と同じ方と知り
「ああ どうりで素晴らしいはずだ」と思った。

もう一つ 惹かれたのが、エンディング曲の
「強さは愛だ」で、これは渡辺氏の曲も良いが、
山川氏の歌詞もとても良かったのだ。

特に「倒れたら立ち上がり 前よりも強くなれ」
という部分。
私は当時 浪人生だったが、倒されてばかりの青春を
おくっておりw、山川氏の歌詞のこの箇所が
心にビンビン響いた。
脚本も上原氏だし、渡辺氏、山川氏らの
「宇宙刑事シャリバン」は「ここにプロ集団の仕事がある!」
と、私をおおいに興奮させるものだった。
かけるべきところには金をかけ、有能な人を
起用する、プロデューサーの吉川進氏は
本当に 映画作りで何が大切か よくわかっておられた
と思う。

ジャスピオンの歌詞も良かった。
「俺は誰にも縛られない 君の心もおんなじさ」とか
「弱い犬ほど鎖が好きさ」
なんてフレーズに、私は「自由こそ最高に尊い」と
教えられ そういう人生を歩んでしまった気がする。
山川氏に多大な影響を受けた人生なのだ。

山川氏は ギャバンの主題歌で、
「若さってなんだ ふりむかないことさ
 愛ってなんだ ためらわないことさ」
同曲2番の歌詞は
「若さってなんだ あきらめないことさ
 愛ってなんだ くやまないことさ」
と 明快に答えを出しておられる。
しかも歌うのは串田アキラさん。
ギャバン主題歌は たまんない名曲だ。
上原氏が作品中で描く男の魂と
抜群に相性がよいのが山川氏の歌詞だった。

山川氏のベスト作品は
ギャバンのエンディング曲「星空のメッセージ」
だろう。
「立ちどまるな 弱音をはくな
夢をあきらめるな」の1番も無論よいが 特に2番。
私は つらいことを経験してのち、
この2番で 山川氏が何を伝えたかったか
この詞のテーマは何か
理解できたような気がしている。

NHKのニュースで、山川氏の作風について
「人生を励ます力」がある詞、と言っていた。
その美点が、ストレートに発揮されたのが、
氏のヒーロー番組における作詞一連ではないだろうか。
山川さん 数々の名曲 ありがとうございました。