買いました。
発売・太洋図書。3200円。

素晴らしい出来栄えの本です。

宇宙刑事シリーズを扱った本で、これを超える本は、
おそらく今後出ないでしょう。

大判の写真、関係者インタビュー、
今後 今のタイミングを逃したら、たぶん実現できない。


この本では、
1981年の「宇宙刑事ギャバン」から
1986年の「時空戦士スピルバン」までが
扱われています。

しょせんガキ向けの、変身アクション番組でしょ、と
軽蔑の眼で見られてしまうことも多い番組たちですが、、、

この5本のシリーズは、
特に最初の二作「宇宙刑事ギャバン「宇宙刑事シャリバン」は
言葉は悪いですが
「馬鹿みたいな熱気」
に満ちています。

ここまで本気で造られた子ども番組は
その後途絶えていると思う。
シラケ時代に突入していた1980年代に、これらの番組が
産み出されたことは、ある意味奇跡といえるのでは
ないだろうかとさえ思う。

ヒーロー側のデザインも非常にかっこよく
出来ているものが多い。
間違いなく、その時代に最もかっこいいメカデザインが
投入されていた。
いや、現在の目で見ても、古びていない傑作デザインが多い。


残念なのは、毎回のゲストキャラクターのデザイン、
セットなどの美術が、予算と時間の制約ゆえに
魅力に乏しいということだが、
その点さえ除けば、よく頑張っていた番組たちだと思う。

基本的には一回オンエアするためだけに作られた番組だが、
アホみたいな意欲で撮られたシーンがいくつもある。
若いスタッフの情熱が生んだ、傑作シーンだと思う、、、


上原正三さんをはじめ、小林義明、田中秀夫、
村上克司、渡辺宙明、野口竜、金田治、前沢範、
その他多くのスタッフの方々が、
そのキャリアのピークに達していた時期の
作品である。

放映当時、私はもう大学生だったが、
作り手の熱気にいつも心底感心していた。
幼稚園児向けの番組を本気で作っている大人たちの
たぎる情熱と高い技術に、、、、

さすがに5年目の「スピルバン」になると、
その熱気も冷めてしまったことを
画面から感じざるを得なかったが、、、、

まぎれもなく、テレビ番組作りの、素晴らしい、
輝ける一時期であった。


まあそれはさておき、
この本は素晴らしい。

シリーズに対する、正しい愛情が満ち溢れている。

この本を企画編集した 秋田英夫さんを、
私は 少しだが 知っているが、
非常に、純で、熱くて、タフで、優しいハートを
持った方という印象がある。

秋田さんにとっても、この本は、記念碑的な仕事になったことだろう。

蔭ながら、おめでとうございますと、祝辞を献じさせていただきたい。