西本幸雄さん死去 20111126
私の最も尊敬する野球人でした。
阪急も近鉄も、この人が強くしてくれなければ、
とっくの昔に球団消滅していたかもしれない。
この2球団が消滅していたら、パリーグの存続だって危うかったであろう。
パリーグファンは、この人に足向けて寝れないですよ。
中国では、花咲かじいさんのことを「花神」と呼ぶそうですが、
西本さんは、弱小球団に花を咲かせる、まさに「花神」でしたね。
西武の森さんのように、強いチームを率いて勝たせるのが上手な監督よりも、
私は西本さんのように、弱いチームを強豪に仕立て上げる監督が好きですね。
西本さんには、一度お会いしたことがあります。
むかし、仕事先で、西本さんがゲストで来るというので、
デスクに強烈に頼み込んで、サインをもらうことに成功しました。
「あんた何ていうの」と訊かれて、名前を言うと、「○○さんへ 西本幸雄」
と色紙に書いてくれました。
それだけの会話でしたが、忘れません。もちろん色紙は部屋に飾ってあります。
先日再放送された「NHK特集 江夏の21球」で、野村克也が面白い話を
していた。
あの「21球」の時、当時解説者の野村は大阪球場の記者席最前列で取材していた。
それでノーアウト満塁になった時、野村が近鉄ベンチを見ると、
監督の西本さんと目が合った。
その時、西本さんは野村を見て「ニヤッ」としたという。
その表情を見た時、野村は「これは危ないぞ」と思ったという。
勝負は最後に下駄を履くまでわからないんだから、こんなところでニヤリと
しているようじゃ、西本さん危ない、と。
案の定、江夏に切り抜けられて、西本さんはつかみかけていた日本一を逃した。
※ ※ ※
私が西本さんの名場面ナンバーワンに挙げるのは、
巨人対阪急の日本シリーズ、1勝1敗で迎えた第3戦、
山田が王に逆転サヨナラスリーランを浴びて負けた
1971年のあの試合です。
サヨナラ本塁打を浴びて、山田投手はマウンドでへたりこんで起きれない。
西本さんは、ベンチから山田を迎えに行き、ベンチへ連れて帰った。
よくプロ野球の試合中継で、試合終了の瞬間にダッグアウトの出口から
監督がスタスタ出て行ってしまうシーンが映りますが、
マウンドまで敗戦投手を迎えに行った監督は西本さんだけでしょうね。
「今日は戻らんでいいからとことん呑んでこい」とその時山田に言ったらしいです。
こうして考えてくると、西本さんは、負けっぷりが素晴らしかった。
勝負の世界、全部勝てるわけが無いんだから、あとは、負けっぷりがいいかどうかで
プロの勝負師としての値打ちは決まってくる。
その点、西本さんは満点でしたね。
監督最後の年も最下位でしたし。
本当は、西本さんのような人が、プロ野球のトップになればいいんです。
全部勝とうとするから無理が出ます。
ナベツネだの清武だの、汚らわしくて反吐が出ますな。
CS制度導入など、歪んでいく日本のプロ野球を、西本さんはどんな思いで
見ていたのか。それも気になりますが……合掌。
私の最も尊敬する野球人でした。
阪急も近鉄も、この人が強くしてくれなければ、
とっくの昔に球団消滅していたかもしれない。
この2球団が消滅していたら、パリーグの存続だって危うかったであろう。
パリーグファンは、この人に足向けて寝れないですよ。
中国では、花咲かじいさんのことを「花神」と呼ぶそうですが、
西本さんは、弱小球団に花を咲かせる、まさに「花神」でしたね。
西武の森さんのように、強いチームを率いて勝たせるのが上手な監督よりも、
私は西本さんのように、弱いチームを強豪に仕立て上げる監督が好きですね。
西本さんには、一度お会いしたことがあります。
むかし、仕事先で、西本さんがゲストで来るというので、
デスクに強烈に頼み込んで、サインをもらうことに成功しました。
「あんた何ていうの」と訊かれて、名前を言うと、「○○さんへ 西本幸雄」
と色紙に書いてくれました。
それだけの会話でしたが、忘れません。もちろん色紙は部屋に飾ってあります。
先日再放送された「NHK特集 江夏の21球」で、野村克也が面白い話を
していた。
あの「21球」の時、当時解説者の野村は大阪球場の記者席最前列で取材していた。
それでノーアウト満塁になった時、野村が近鉄ベンチを見ると、
監督の西本さんと目が合った。
その時、西本さんは野村を見て「ニヤッ」としたという。
その表情を見た時、野村は「これは危ないぞ」と思ったという。
勝負は最後に下駄を履くまでわからないんだから、こんなところでニヤリと
しているようじゃ、西本さん危ない、と。
案の定、江夏に切り抜けられて、西本さんはつかみかけていた日本一を逃した。
※ ※ ※
私が西本さんの名場面ナンバーワンに挙げるのは、
巨人対阪急の日本シリーズ、1勝1敗で迎えた第3戦、
山田が王に逆転サヨナラスリーランを浴びて負けた
1971年のあの試合です。
サヨナラ本塁打を浴びて、山田投手はマウンドでへたりこんで起きれない。
西本さんは、ベンチから山田を迎えに行き、ベンチへ連れて帰った。
よくプロ野球の試合中継で、試合終了の瞬間にダッグアウトの出口から
監督がスタスタ出て行ってしまうシーンが映りますが、
マウンドまで敗戦投手を迎えに行った監督は西本さんだけでしょうね。
「今日は戻らんでいいからとことん呑んでこい」とその時山田に言ったらしいです。
こうして考えてくると、西本さんは、負けっぷりが素晴らしかった。
勝負の世界、全部勝てるわけが無いんだから、あとは、負けっぷりがいいかどうかで
プロの勝負師としての値打ちは決まってくる。
その点、西本さんは満点でしたね。
監督最後の年も最下位でしたし。
本当は、西本さんのような人が、プロ野球のトップになればいいんです。
全部勝とうとするから無理が出ます。
ナベツネだの清武だの、汚らわしくて反吐が出ますな。
CS制度導入など、歪んでいく日本のプロ野球を、西本さんはどんな思いで
見ていたのか。それも気になりますが……合掌。