大学野球 東洋―慶応 感想  20110612

第60回 全日本大学野球選手権の決勝戦。
今日は13時試合開始で12時開門とテレホンサービスで言っていたので
11時半ごろ行ってみたら、すでに開門していた。

球場に到着する前は、東洋大にも慶応大にもゆかりがないので、
どっちが勝ってもいいやと思っていたが、ある事情で、
熱烈に東洋大を応援するはめになった。

なぜなら、私の席を取り囲むように、慶応ファンが座りはじめたからである。

私は長年神宮で野球を観ているが、
東京六大学のファンほどマナー知らずの連中はいない。
中立地帯であるネット裏で、平気で母校の応援をする。
(応援したいなら応援席に行けバカ)
球場ルールで禁じられている「席取り行為」を平気でする。
東京六大学チームのファンのマナーは最低である。

私は東京六大学チームのファンを、野球ファンとは認めていない。
(もしも本当の野球ファンならば、勝利校の優勝インタビューを見ずに
帰るわけがないですものね。)
彼らは「野球ファン」ではなく、ただ「母校の勝利を見たいだけの人たち」なのである。
野球を愛する者としては、そういうわけで、その種の「東京六大学ファン」に
鉄槌を下すべく、東洋大学を応援しながら観戦した。

東洋大の先発投手は予想通り藤岡だったが、慶応大はリーグ戦中かならず
第1戦に先発していた竹内ではなく、リーグ戦で一度も先発してない福谷。
でも考えてみれば、接戦でリリーフし、ことごとく勝利を拾ってきた、
慶応で一番頼りになる投手は福谷なので、ある意味これは当然の起用か。
(東洋大の高橋監督はこの可能性を察知して偵察メンバーを
先発打順に入れていた。さすがである)

試合は素晴らしい投手戦になった。
東洋大・藤岡はピンチが多く、8回表、先頭打者に四球を与えた時、
明らかにがっくりしたポーズを見せた。よほど苦しかったのだろう。
(今日の主審・鈴木孝・首都大学連盟所属・はストライク・ボールの判定が
むちゃくちゃだったので、それによるストレスもあったと思う)
しかし藤岡はこのピンチも切り抜け、藤岡・福谷の素晴らしい投手戦で
試合は1-1の同点で延長戦に突入した。

こういう素晴らしい試合を見ている時は、いわゆる「イキっぱなし状態」に
なってしまう。エクスタシーの連続で「もう死んじゃう」感じである。

延長10回表、慶応の攻撃で、小さな異変が起きる。
二死走者無しから藤岡は四球を出した。そしてこの瞬間、捕手がベンチの監督の
ほうを見たのである。
藤岡の足に異変が起きたようだった。藤岡は靴ひもを結び直すふりをしてストレッチを
している。敵に故障を悟られないためだ。この辺りの藤岡の根性もすごい。
すぐに東洋大の高橋監督がマウンドに駆けつけた。
高橋監督は藤岡の手を引っ張り、降板を促しているが、藤岡は拒否し、続投した。
(たぶんこれは高橋監督の芝居で、高橋監督も本気で藤岡をマウンドから降ろす
気はなかったと思う)
藤岡は続くバッターを見逃し三振にとり、慶応は10回表も無得点。

そしてその裏、東洋の小田にサヨナラ2ランが飛び出し、東洋が優勝。
いい当たりだった。糸を引くような素晴らしい打球だった。
私の周りのマナー知らずの慶応ファンはすごすごと引き上げていった。ざまあみろ。

もしも延長11回に突入していたら、藤岡は足の故障をおして続投しただろうか?
高橋監督は続投させただろうか? そのへんも観たかったが、試合は決着して
しまった。

いやいや素晴らしい試合でしたね。さすが大学野球ナンバーワンを決める試合です。
東洋・慶応 両校選手の皆さま、ご苦労様でした。