尊敬する先生と月末に会うことを強引に約束していただいたが、
その席で、先生が私に、先生の処女作の生原稿をくださるという。

先生と会っていただく約束はしたが、手持ちに面白い話があるわけでもなく、
先生を退屈させてしまうことを心配していた矢先に、
そういうお話をいただいた。
先生にとっては、もっとも愛着のある原稿だという。

先生のファンを長年やってきたが、ここまでの名誉をいただくとは。
死んでも悔いなしとまでは言わないが、
自分がすごく好きな作家に、ここまでの処遇を受けた人間は
そう多くないだろうということは理解できる。

先生のこの想いに、なんらかの形で応えなくてはならない。
非常に重みを感じる出来事である。