(シナリオ)6羽のかもめА崟敝箍阿侶А廖。娃坑隠隠械
作・倉本聰
「切符屋の熊」
正月休みが近づき、劇団員たちは正月をどう過ごすか計画を立て始める。
故郷に帰る者、家族で温泉へ行く者、友人とスキーへ行く者。
劇団マネジャーの弁三は困り始める。
劇団員は同じアパートに住んでいるが、正月の間じゅう、
劇団トップの淡島がアパートで一人ぼっちになってしまいそうなのだ。
そこへ救いの神が。
弁三の苦境を伝え聞いた部長が、淡島の宮崎旅行の手配をしてくれるという。
いつかのゴルフでのチョンボの埋め合わせらしい。
急に飛行機の切符なんか取れるのか心配する弁三だが、
切符取りの名人「クマ」が局内にいるから大丈夫だという。
「クマ」は、どういうコネを持っているのか、どんな切符でも
取ってしまう男だという。
淡島も宮崎行きを承知する。
部長は偉いさんに淡島の宮崎行きを話す。偉いさんは毎年正月を
宮崎で過ごしており、淡島ファン世代なので大喜び。
淡島の宮崎行きは取り消せない状況になる。
そんなこととは知らない弁三のもとにクマから連絡が入り、
宮崎は無理、札幌なら切符が取れるという。弁三と淡島は札幌で承諾する。
クマは宮崎行きの切符が取れないと部長に報告。部長は激怒する。
弁三も宮崎行きを取り消せないことを知り、宮崎行きの切符を
取るよう劇団員の高橋に頼む。でも高橋でも無理っぽい。
そんな夜、クマが弁三を訪ねてくる。クマは弁三に話す。
「私は札幌が故郷で、淡島と一緒に札幌に帰って故郷の連中を見返したい」
何も言えない弁三。
数日後。高橋が友人に頼んだ結果、宮崎行きの切符が取れたという。
部長、弁三らが、切符の受け取りに出向く。
そこで高橋の友人が待っていたが、実はその友人も切符を取れず、
最終手段で物凄い切符取りの名人に頼んだのだという。
なんとそれはクマだった。クマは淡島の名前が入った宮崎行き飛行機のキップを
持って来ていた……
淡島は宮崎行きも札幌行きもやめて、正月を一人東京のアパートで
過ごすことになった……
(これは「乾燥機」に匹敵する傑作。ゲスト主役に思いもかけない一面が
あって……のパターン。どうも部長がからむとドラマが面白くなるようです。
それにしても、これだけ魅力的なゲスト主役を次々に生み出す倉本氏の
筆力には恐れ入る。クマを演じたのは藤岡琢也)
作・倉本聰
「切符屋の熊」
正月休みが近づき、劇団員たちは正月をどう過ごすか計画を立て始める。
故郷に帰る者、家族で温泉へ行く者、友人とスキーへ行く者。
劇団マネジャーの弁三は困り始める。
劇団員は同じアパートに住んでいるが、正月の間じゅう、
劇団トップの淡島がアパートで一人ぼっちになってしまいそうなのだ。
そこへ救いの神が。
弁三の苦境を伝え聞いた部長が、淡島の宮崎旅行の手配をしてくれるという。
いつかのゴルフでのチョンボの埋め合わせらしい。
急に飛行機の切符なんか取れるのか心配する弁三だが、
切符取りの名人「クマ」が局内にいるから大丈夫だという。
「クマ」は、どういうコネを持っているのか、どんな切符でも
取ってしまう男だという。
淡島も宮崎行きを承知する。
部長は偉いさんに淡島の宮崎行きを話す。偉いさんは毎年正月を
宮崎で過ごしており、淡島ファン世代なので大喜び。
淡島の宮崎行きは取り消せない状況になる。
そんなこととは知らない弁三のもとにクマから連絡が入り、
宮崎は無理、札幌なら切符が取れるという。弁三と淡島は札幌で承諾する。
クマは宮崎行きの切符が取れないと部長に報告。部長は激怒する。
弁三も宮崎行きを取り消せないことを知り、宮崎行きの切符を
取るよう劇団員の高橋に頼む。でも高橋でも無理っぽい。
そんな夜、クマが弁三を訪ねてくる。クマは弁三に話す。
「私は札幌が故郷で、淡島と一緒に札幌に帰って故郷の連中を見返したい」
何も言えない弁三。
数日後。高橋が友人に頼んだ結果、宮崎行きの切符が取れたという。
部長、弁三らが、切符の受け取りに出向く。
そこで高橋の友人が待っていたが、実はその友人も切符を取れず、
最終手段で物凄い切符取りの名人に頼んだのだという。
なんとそれはクマだった。クマは淡島の名前が入った宮崎行き飛行機のキップを
持って来ていた……
淡島は宮崎行きも札幌行きもやめて、正月を一人東京のアパートで
過ごすことになった……
(これは「乾燥機」に匹敵する傑作。ゲスト主役に思いもかけない一面が
あって……のパターン。どうも部長がからむとドラマが面白くなるようです。
それにしても、これだけ魅力的なゲスト主役を次々に生み出す倉本氏の
筆力には恐れ入る。クマを演じたのは藤岡琢也)