また「虹の女神」 070828

酔っぱらった勢いで、DVDを再見する。

「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」「幸福の黄色いハンカチ」
と同程度の傑作であるかを見極める目的だったが、
やはり傑作であるとの認識を新たにした。

今回の発見。

盲目の妹が、「終点まで行けば折り返すでしょ?」
というセリフがある。
これはひょっとして「片思いも、究極までいけば、最高の愛である」
ということを作者が言っているセリフなのかもしれない。

あと、あおいが喫茶店「ポルカ」で1万円を返す時、
指輪状態にしていた1万円札を返す。
「あおいはいつから智也を好きだったのか?」は
いまだにミクシィのコミュでも結論が出ていない問題だが、
この時点で1万円札を指輪にしていたということは、
この時点で既に好きだったのかもしれない。

以下は、前に観たときから感じていたこと。

智也が空港にあおいの家族を送って帰ってきたとき、
「エンド オブ ザ ワールド」の曲がかかる。
これは音楽が過剰なようにも感じられるが、
後から振り返れば、あそこであの曲がかかるのは
仕方ないかもしれない。

上野樹里は、映画開始から17分経過して初登場するが、
これは堂々たる貫禄の登場である。

最後、代筆ラブレターの存在が明らかになるが、
これは映画「ラブレター」の二番煎じとの批判を受けるかも。

映画の序盤、カメラが不必要に揺れているような気がする。

作中で紹介される「エンド オブ ザ ワールド」だが、
字幕(スーパー)が、素人の8ミリ映画ではありえない
光学撮影機器を使っての字幕になっている。
素人の8ミリ映画なら、文字を書いた紙を撮影するなどで
処理すべきところである。

主人公が死ぬのは惜しい。
人生はこういう失恋を味わいつつ過ごされていくものであり、
ヒロインにも、死ぬのではなく、きつい失恋を味わいながら
その後の人生を歩んでほしかった。

大学卒業後、同期だった仲間と飲み屋で会う感じ。
それはすごく上手に描かれている。
ここは上野の衣装がその日の昼と同じ衣装なことにも注目である。

序盤はふむふむと観ているが、智也が映画撮影に参加するあたりから
「入って」しまう。映画学科があった学校の卒業生としては、
その辺りから、もう他人事では観られない映画である。