「猫の皿」(好きな落語)060316

もうひとつ 好きな噺を…

全国を歩き回って、骨董品を買いまわっている骨董品屋がいた。
あるとき、田舎の茶屋でお茶を飲んで休憩していると、
その茶屋の飼い猫が、餌を与えられ食べているのが目に入った。
骨董品屋は驚いた。
猫が食べている餌の皿が、非常に貴重で高額な皿なのだ。
骨董品屋は思った。
「この茶屋の主人は、この皿の価値を知らずに、猫の皿などに使っている
 に違いない。ようし…」
骨董品屋は茶屋の主人に、この猫が気に入ったから買い取りたいともちかける。
主人は「可愛がっている猫ですから…」と断わる。
そこをなんとか、と頼み込む骨董品屋。
主人はしぶしぶ、一両という高値で猫を売ることを承諾する。
骨董品屋「じゃあ、この皿もついでにもらっていくよ。
     猫は、食べつけてる皿じゃないと餌を食わねえっていうからな」
主人「それはかんべんしてください」
押し問答の末、骨董品屋は気づく。主人はこの皿の値打ちを知っているのだ。
骨董品屋「じゃあお前さん、なんだってこんないい皿で猫に飯を食わせているんだい?」
主人「はあ、この皿で餌をやっておりますと、時々猫が一両で売れます」(終)

いやー私の書き方じゃたぶん伝わってないでしょうが、
これもうまくできた噺ですよね。
途中くすぐりとかあまりないので、演者にとっては難しい噺でしょうが…
短編小説もそうですが、こういう「最後のオチが効いてる作品」が好きですね~