「後生うなぎ」(好きな落語)060316

ストーリーはこんな感じです。

川沿いに一軒のウナギの蒲焼屋があった。職人は前の道を通る客から見える場所で
ウナギをさばき、串を刺して焼いている。

あるとき、ウナギ屋がウナギをさばこうとしていると、店の前を
信心深い老人が通りかかった。
老人はウナギ屋がさばこうとしているのを見て、
「なんと可哀相なことをするのだ」と抗議してやめさせ、
ウナギを買い取り、店の前を流れる川に放してやった。
老人は「ああ良い功徳をした」とつぶやき去っていった。

こんなことが何回か続き、ウナギ屋にとっては楽な小遣い稼ぎになり
老人が通りかかるのを心待ちにするようになっていった。

あるとき、老人が向うから来るのが見えたが、あいにくウナギは品切れ。
そこでウナギ屋は手近にあったドジョウかなにかをさばくふりをする。
老人はドジョウも買い取って前の川に放した。ポチャーン。

同じようにして金魚でもメダカでも老人は買い取り川に放す。ポチャーン。

またあるとき、老人が向うからやってきた。
あいにく手元にウナギもドジョウも金魚もメダカも無い。
ウナギ屋「ええい、生きてるものならなんでもいいや」
そばにいた我が子の赤ちゃんをさばくふりをする。
おかみさんは驚いて止めるが、「さばくふりをするだけだから」と
説得する。
老人がやってきた。
老人「赤ん坊をさばくだなんて、なんと可哀相なことを…」
赤ん坊を買い取った老人、前の川へポチャーン…

若い頃はこういう噺が好きでしたね。
海外のブラックユーモア小説を上回る完成度だと思います。