テレビ界はセコい。
今、新しい連続ドラマが始まる時期だが、その初回のウラに
人気バラエティのスペシャルをぶつけ、「初回つぶし」を
やりあっている。
「初回つぶし」に成功すれば、その連続ドラマは低視聴率になり、
視聴率争いで有利になるからである。
大ヒットドラマが生まれないとよく言われるが、
こういう手法がその原因になっているともいえるのである。

思い出す話。
少年マガジンで「巨人の星」が始まった当時、
巨人軍をマンガで扱えるのは少年ジャンプだけという
契約が結ばれていた。
つまり少年マガジンは、巨人軍(やジャンプ)に無断で「巨人の星」を
始めたのだ。
ジャンプは契約を盾に取れば、「巨人の星」の連載を
やめさせる事もできる立場にあった。
ところが当時のジャンプ上層部は偉かったね。
他誌ではあるが「巨人の星」の将来性を見抜き、「このマンガが成長すれば
マンガ全体が市民権を得ることにつながり、
ひいてはマーケットが拡大し、ジャンプにも損に
ならない」と判断し、ジャマしなかったのだ。
結果はご覧の通り。マンガは文化に成長し、
ジャンプも巨大なメディアになった。ジャンプの判断は実に正しかった。

こういう大局的な、大らかな判断が許された時代というのはイイですね。
今の時代は、進化しすぎて気詰まりですよ。
でも、今の時代だって、何十年か後から見れば
のどかな時代と言われるようになるのでしょうね。

進化は人間を幸せにするのか。考えてしまいます。