墓参りをして、鬼は美容室へ。
俺は娘のところに。
行くと、娘婿が一人でテレビを見ている。
孫二人はテニスの試合。母親(娘)は付きっ切り。
婆(前妻)は、働き者で、今でも仕事をしている。
田舎から送ってくれた、冬瓜、栗、梨、その他を持っていったので、娘婿に渡して、「台風が来るらしいから、帰る」と、駅まで送ってもらって、帰ってきた。正解。
帰ってきて一時間も経たないうちに、風が強くなりはじめ、鬼もようよう帰ってきました。どっかに飛ばされればいいのに。帰ってきやがった。
俺の寝室は公園側なので、木々の軋む音、暴風雨の音が怖いくらい。
鬼の寝室は道路側で、救急車やパトカー、消防車が煩い。が、奴は平気。
まぁまぁ、巣林一枝。我慢我慢。
俺は十八時に寝たから、随分時間が経ったろうなと、思っていたら孫からの電話。「今、どこ?」「東京のお家だよ」「いい選択だったね。東武線止まってるよ」「ここのところ、カノちゃんに合ってないね」「うん、そうだね。でも、いつでも合えるよ」「今度テニスの試合見に行くね」「うん!ありがとう」。
外は家が揺らぐほどの暴風雨。家の中は愛情一杯の会話。
台風一過とはよく言ったものですね。真っ青な空。切り替えましょう。今日から十月ですよ。
巣林一枝(そうりんいっし)
小さい住居に満足して住むたとえ。鳥が巣を作る場合、つかうのは林の中のたった一本の枝に過ぎないということから。
近松門左衛門の号、「巣林子」はこれによる。
