ホルモン焼き「肉稀組」の調理人、南がやってきた。
訳あって、今はホルモン焼きの調理人をやっているが、過去某大使館で調理師をやっていた男なんです。おとなしい男なんですが、俺のバカ弟と同じく「飲んでないと喋れないのです」。その代わり飲んだら馬鹿みたいにいらんことをしゃべくります。
「俺達は、生き物を殺して、それを料理して、お客様に提供してるのだから、その気持ちがないものに、教えることは出来ないんだよね。お客様が食べ残したときに、「何で残したのだろう?」と反省も出来ない奴にも教えることは出来ないよね。あぁ、このコネギも、もともとはお百姓さんが丹精込めて作ったものなんだなぁ。と、材料を大事に使ってくれなきゃ、それを「食べ残しやがって」と、客の舌の精にしちゃいけませんわ。あ、すいませんこの酒何という銘柄なんですか。船中八策?いいですねぇ。ピリッときますねぇ。お客様にはお客様の味覚というものがあるんですよね。それを何も考えずに、パット捨てちゃう気が知れませんわ。反省位しろよといいたいですよね。さっき奥ちゃんから電話があってさぁ。彼ももうそろそろ帰ってくるんじゃないかと思いますよ。田舎でのんびりとしてる性格じゃないものね。もう一杯いいですか。何飲みましょう。え、酔鯨?あ、それ頂きましょうか。料理は心ですよ心。これおいしいですね。どこのカツオなんですか?この酒によく合いますねぇ。これなんですね。料理って…」。
終わり。
