「高原」という言葉にずっと憧れていました。

 敷石づくりの作業の手を休めて、遠くに望む山々を眺めながら…その理由が今分かったような気がします。

 大学生の頃、TBSテレビで放映していた「高原へいらっしゃい」という感動的なドラマがありました。

 山田太一原作、田宮二郎主演のドラマでした。

 何度も人手に渡り経営の難しいとされた1軒のホテル。

 冬が終わろうとする頃から物語が始まり、夏の観光シーズンまでに限られた予算内でホテル運営を軌道に乗せるべく奮闘するという内容でした。

 高原の爽やかな景色とは裏腹に…、ドラマの中のホテル支配人同様、田宮二郎さんの実生活も波乱万丈でした。

 田宮さんは数々の苦難に遭い、ついには非業の最期を遂げてしまいました。

 いずれ敷石づくりが終わったら、近くの「高原」にでも行こうと思います。