あまり眠れず、久しぶりに深夜3時頃からNHKラジオ深夜便(能登上布の織子たち)を聴き入っていました。

 能登の美しさを手織りで発信したいという、「能登上布」四代目織元山崎隆さんと三代目織元女将山崎幸子さん親子のお話しでした。

 機を織りたい、織子になりたいという女性が増えたそうです。何か分かるような気がします。

 基本的に公に織子募集は行っておらず、織物が好き、着物が好き、伝統を繋げたいという思いで工房に連絡をくれた職人が殆どだそうです。

 かつて面接で、「お給料は食べていけるだけでいいのです」と答えた女性(お茶の水女子大・大学院修了)のことを、織子さんたちの生き方に重ね合わせて思い出しました。

 地震で糸の巻き取り機が損傷し、生産が一時停止。

 20~70代の布を織る職人や研修員ら15人の中には、通常出勤ができない人が今もいるとのことです。

 年間で着物約200着分の生産は、織りと染色が全て手作業。

 「手仕事だからこそ、こんなに影響があるのだと初めて分かった」と話します。

 「頑張ってきたが、もう続けていけないかもしれない」と、被災当初、事業継続に危機感を覚えたが、全国各地から「能登上布を守ってほしい」との声や寄付金が寄せられ、前を向くことにしたと言います。

 これまで能登の風土を映す色や柄を表現してきたが、人の優しさや記憶に残したい風景も反映させたいと…。

 毎日、朝から晩までいい物を作ろうと世の中の動きなど気にせず合わせることなく、静かに機織りに向かう職人たちのこういう生活スタイル、姿勢…男の私でも憧れます。