3年くらい前だったか、

とあるジャズシンガーのライブを観に行って、

とても不安になったことがあった。


艶っぽくて美しい女性シンガーで、

透明感のある歌声に英語の発音もまずまず、

第一線で活躍するジャズミュージシャンとのカルテットで、

ロマンチックなライブだったと思う。


でもこんなシンガー掃いて捨てるほどいるなって思ったら、

とてつもなく不安になった。


自分の歌声は、大嫌いで大好き。


私は美人の部類ではないし、

どんな環境下でもパーフェクトピッチが出せるほど精神は強くないし、

ラテンのリズムもブラックの魂も後付けで、

本場には遠く及ばない。


じゃあ、私がジャズを歌う意味って、

その特色ってなんだろうってふと思って、

あれこれと思い悩んだことがある。


もちろん歌いたいから歌うんであって、

誰に望まれた訳でもなく歌うってそれはそれは生命力の要ることで、

何より私自身がハッピーだから、

そこには何の問題もない。


そのひとの口から出た言葉は、

歌詞でも台詞でも、

紛れもなくそのひと自身の言葉だと思うけど、

そのライブの時はどうも借り物の音楽に聴こえてしまって、

私はどうだろう大丈夫かしらと不安になりました。


もっとたくさんのひとに聴いて貰うには?

頭ひとつ抜きん出るには何が出来る?

そう考えた時にふと浮かんだのが「ことば」でした。


私はネイティブスピーカーじゃありません。


日本生まれの日本育ちで、

歌詞を書いたり脚本を書いたりするのが好き。


じゃあ、日本語の歌詞で歌ってみよう。


まあジャズを和訳してるシンガーもこれまたごまんといて、

私の大好きな伊藤君子さんはなんと津軽弁でスタンダードを歌われていますが、

それでも私の「じぶんのことば」で歌ってみよう!と始めたのが、

「じぶんのことばで歌ってみよう」シリーズ。


3年やって来たから結構曲数あるんですが、

14日のライブの為に改めて手直ししています。


時が経てば、

想いも変わる。


あ、もちろん、

変わらず原語で歌ってるものもあります。


でも向き合い方は変わったかな。


ライブ楽しみだ。

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