個人的な評価★★★★★★☆
客観的な価値★★★☆☆☆☆



DODGE CHARGER MKⅢ
その1

母方にはお姉さんが3人いて、小さいころにその内のA野さんの家に何度か遊びに行ったのを覚えている。
その家の子供はみんな私よりも年上で、男2人、女1人の兄弟の家だったが、どちらかのお兄さんが天体に凝っていて、一生懸命お小遣いやお年玉を貯めて、自分で天体望遠鏡を買ったりしていた。

本当にたいしたものだと思う。

 

当時小学生の低学年だった私には天体望遠鏡というのはとてつもなく高価なもの(高級自動車なみ)と認識されていて、「お小遣いやお年玉でそんなものが買えてしまうものなのだろうか!」と、とても驚いたものだ。

ある時お兄さんに「望遠鏡っていくらくらいしたんですか?」と聞いたら、「4万円くらいかなー」と返されて、「え!、たったの4万円!」と返してしまい、「安くて悪かったね」みたいなことを言われてしまった。

もちろん「安物」という意味ではなくて、「こんなすごい物が100万円(子供の高額基準)以下だったのか!」という漠然とした意味での驚きだったのだが、その当時はそんな言い訳もうまく出来ずにそのままだった。


その家は子供にとって刺激的な絵本やミニカーの宝庫で、絵本と言えば「孤島ひとりぼっち」(矢野 徹)というちょっと難しめのSF絵本がとても印象に残っている。
ミニカーは未来カーみたいなものがいくつもあって、その中の一つがとても気に入ってしまい、必死にお願いして譲ってもらってしまった。

いとこのお兄さんは嫌がっていたと思うが、親に「お兄さんだろ」みたいなことを言われてしぶしぶくれたような記憶がある。

子供の節操の無さや容赦のなさというのは本当に恐ろしい。

そのミニカーは、どぎつい色合いや裏に書いてあるわけのわからない記載から、子供ながらになんとなく海外製なのは分ったが、それ以上は何もわからなかった。
図鑑やテレビに出てくるどのスーパーカーとも違うのだ。
運転席のドアがものすごくガバッと開くのが特徴的で、当時ガンガンぶつけて遊んだにもかかわらず、ずいぶんと作りが頑丈だったようで、結構長く遊んでいた記憶がある。
しかし、破壊神のごとき男3兄弟にかわりばんこに遊ばれれば、ついには壊れていき、親に選別・処分されて、いつしかおもちゃ箱からは姿を消していったのである。