メンゼンテンパイした場合にリーチするかしないのかの考察。


まずリーチの持つ意味について把握する。
リーチとは以下の2点が大きな意味を有する。

・テンパイを公にする
・1~ハンup、裏ドラ・一発の可能性

ではこれから考えられるデメリットとは何か?

それは他家に対応を知らせる事による出アガリ率の低下及びにツモアガリ率の変動にある。
ツモアガリ率の変動とは他家のオリと速度上昇による局の終了による局の巡目・ツモ回数の変化を示す。


以上から、リーチによる打点上昇割合と出アガリ率低下によるアガリ率の低下割合の績が1未満であればリーチをしない方が良いと考察される。


次に残り巡目との兼ね合いを考慮した数値について考察する。
リーチすることによる出アガリ率の低下が招くアガリ率低下は相関関係にはあるがその指数は変動指数であるからである。

ex.残りツモが12巡ある場合、アガリ牌が3種あれば平均アガリ巡は11.3であるのでアガリに要する出アガリの役割が低下する。

この場合に注意すべき点は他家の同行である。
他家がオリるのであれば局は最大巡目まで進行され変動指数は最小となるが、局の巡目が少なくなるほど変動指数は大きくなるからである。
よって、他家がオリによる対応をとる場合には変動指数は最小となるが速度上昇による対応をとった場合に変動指数が上昇する事を理解し、状況判断する必要がある。
麻雀は時間制限内で最適の選択をする事を主としたゲームである。

しかしながら時間制限により全てをフォローするのは不可能に近い。
であるならば情報の選択と選択の簡易化を図る必要性が存在するのは当然であるだろう。

本節では選択の簡易化における簡易速度計算と情報の取捨選択とについて述べる。


まず第1に速度計算とは?
これは種類と枚数を正確に計算し手牌の速度を算出する事である。
この場合、相手の手牌を構成ターツの予想から判断し枚数を視覚枚数から修正する必要がある。

第2にどれを省くのか?
これは不確実な部分から省くのが必然である。

優先順位



・手牌の把握
・捨て牌の把握
・相手の手牌の予測



上記の優先順位に基づいて情報の取捨選択と数値の算出を行わなければならない。

第3に段階別簡易速度計算について。
これは優先順位の高いものから3段階に分けられている。

①手牌の受け入れ

これは受け入れを種類のみで算出する。

ex.
①①22378
の様な1シャンでは6種ではテンパイまで6/34で5.6巡と計算する。

②視覚枚数の削除

手牌と捨て牌から枚数を削除した上で算出する方法。
この場合、算出は種類に換算して行う事で簡易化する。

1枚減を0.25種減と捉えることで計算を2桁に抑える。

ex.
①①22378
の様な1シャンでは6種であるが①2が4枚削除されるため5種として捉え5/34で6.8と計算する。

③無視覚枚数の削除

切り出しから手牌のターツを予測し枚数を削除して算出する。
削除した場合の算出方法は②と同様に種類に置き換えて算出する。


メンタルマネージメントで少し触れたが麻雀とは限られた時間の中で選択を強いるゲームである。

なぜなら

麻雀は最大34種136枚で構成されたパズルゲームでありその数値計算は時間が有限で無いのであれば最適な選択をする事は難しくない。
しかしながら、対戦パズルゲームであるが故・ギャンブル的な嗜好性があるゲームであるが故に、ゲームとしての崇高さが求められている以上にその中に強度な時間的制限が設けられる。

これは麻雀というゲームがその不確実性を内包したゲームであるからである。

不確実性とはポーカーなどと同様に情報が制限され正確な情報を下に判断する事が不可能とされ、その性質が対人間の人の思考・数値としての相対性に依存しておりゲーム戦略の中に人の思考を内包している点にある。

しかしポーカーは時間的制限が強く求められるケースは少ない。
これはポーカーというゲームがその性質と共に受容されているからであり、そのプレイヤー間の暗黙の了解と共にプレイヤーはその時間制限を享受し遵守しているからである。
これはポーカーが社会的に認められて存在し、そのプレイヤーは紳士でありゲーム公平であるからと言える。
なのでゲームとプレイヤーの間でギャップは存在していない。

しかし麻雀はゲームの性質と多くプレイヤーの嗜好との間にギャップが存在する。
これは麻雀が社会的に認められておらず、そのプレイヤーは紳士で無いからである。

では麻雀は時間制限は設けられていないのか?

そうではない、麻雀はポーカー以上に強く時間制限が設けられている。
なぜなら、社会的には認められてはいないがゲームとしては享受されており、その場は経済活動の中に置かれており、その経済活動において収益は時間に換算してあげられているからである。
そのため麻雀はポーカーなどのゲームとしての性質の享受による自制ではなく、経済的側面から制限を受ける事により時間制限が成されているのである。

そのため麻雀はゲームとしての嗜好性からではないが、結果として時間制限されたゲームとして成り立っている。