ベランダに飾っていた鯉のぼりを片づけたのが2日前。

 

4月末になると少し憂鬱になる。

鯉のぼりと兜の飾りをいつ飾ろうかと。

 

ご存知の方はご存じだと思うが、季節ごとのお祝いをしないエホバの証人。

信者である母親から事あるごとにそういうことを避けるよう強要された息子2人は、鯉のぼりにも兜にもまったく興味を示さない人間に成長した(これを成長と書くのも疑問に感じる)。

物事に興味を示さない人間は視野が狭くなる。結果思考も生きる世界も小さくしなびたものとなりがちだ。

 

それでも自分が鯉のぼりを飾るのは、毒ツマの思うツボになってたまるかという気持ちがあるから。

つまらない生き方に自分が乗る必要はない。文字に書いただけの楽園を期待するバカに同調などするものか。

 

結局鯉のぼりを飾ったのは5月に入ってから。

風のないベランダ内で力なく垂れ下がる鯉たち。前の住まいではベランダの外に鯉を出すことができたので、風にそよぐ鯉のぼりをまぶしく眺めることができたのに。

 

多分息子たちは鯉のぼりを飾ったことも、兜を部屋に飾ったことも気づいていない。自分も言わない。運良く気づいてくれればいいな、という小さな希望だけ。

 

せめて下の息子が中学を卒業するまでは飾ろうか、なんて考えている。

 

 

大きく育っておくれ。親など微塵も気にしなくなるほどに。