追記①WHOの考える陽性率
大阪、東京、北海道の比較(12月2日)
メディアでは、日々、都道府県別の感染者数が発表され、私たちは一喜一憂しています。しかし、各都道府県は人口が大きく異なります。また感染者の絶対数に加えて、検査の陽性率も考慮しなければなりません。
感染者が多い、東京、大阪、北海道について、人口当たりの感染者数や、検査の陽性率を比較してみました(図1)。
これを見ると、大阪府や大阪市が、全国の中でも人口当たりの感染者数や、PCR検査の陽性率において突出していることが判ります。
参考として私の第2の活動拠点である米国カリフォルニア州の指標を示していますが、感染者数の多いアメリカの基準からみても、大阪の状況は深刻です。
また、人工呼吸器が必要な重症者数の数を見ても、大阪府が突出しています(図2)。
大阪府、特に大阪市では、報告されている以上に感染が拡大し、結果として重症者の増大につながっていると考えられます。
引用ここまで
2020年11月25日(火)フジテレビ・関西テレビ(全国ネット)『とくダネ』(8:00 ~ 9:50)から、上本町わたなべクリニック院長渡邊章範博士が「大阪で陽性者を補足できていないことについて」取材を受けました。
(大阪府HPからwww.pref.osaka.lg.jp/attach/23711/00362734/sihyou.xlsx)
これは、大阪市でのPCRのキャパが少ないことに起因しています。
キャパが少ない根本原因として、行政検査であるコロナPCRを行う大阪市立環境科学研究所と大阪府立公衆衛生研究所の2つの地方研(地方衛生研究所)を大阪府と大阪市の政治家が、3年前に二重行政の無駄といって、2017年4月に大阪健康安全基盤研究所に統廃合し2つから1つに減ったからです。統廃合後も、人材交流が進まず、その間にコロナが来てしまったのが実情です。
政令指定都市の大阪市と人口第3位の大阪府には、やはり、無駄な2重行政ではなく、コロナの今となっては、だれの目から見ても2つの地方研は必要であったことを意味していると考えます。結果論として、統廃合は間違った判断と思います。
上本町わたなべクリニック(スマホ)
トラベルクリニック大阪上本町(ワクチン・予防接種)
<院長 渡邊 章範(たかのり)略歴>
平成10年3月大阪市立大学医学部卒業(医師)。平成15年3月大阪大学大学院卒業(医学博士)。第一回RNA若手の会からの参加者で、第一回RNA学会会員(当時大学生)。大阪市立大学医学部、阪大微生物研究所などでRNAの研究を行う。結核予防会での非常勤職員としておよそ4年間勤務。文部科学省日本学術振興会特別研究員(PD)、大阪市立大学附属病院総合診療科高血圧グループ後期臨床研究医(シニアレジデント・SARSの時は発熱外来も担当)を経て平成18年5月17日上本町わたなべクリニック開業。現在に至る。総合診療医としてメディア出演多数。コロナウイルスの専門家としてのメディア出演も50回を超える。翻訳本として「マシューズ生化学要論(東京化学同人)」。「病気の9割はこれで治る!血管と自律神経(主婦と生活社)」、「その痛みやモヤモヤは 「気象病」が原因だった」、「気象の変化が、自律神経を狂わせる!(青春出版社)」執筆。上本町わたなべクリニックは、中国大使館・ハワイ州・タイ・ベトナム・マレーシア・カンボジア・ラオス・ミャンマー・台湾・シンガポール・ブルネイ・韓国のコロナPCR検査指定医療機関です。