2020年11月24日(火)ABC・朝日放送(全国ネット)『羽鳥慎一のモーニングショー』(8:00 ~ 9:55)から、上本町わたなべクリニック院長渡邊章範博士が「第3波の中でなぜ大阪の陽性率が高いのかについて」取材を受けました。

 
11月23日と11月24日の大阪の陽性率が、18.9%、18.3%と高い値を示しました。これは、大阪のPCRの検査数が少ないため、より感染している可能性の高い人だけを検査しており、大きな陽性者の検査の取りこぼしをしていることを示しています。PCR検査は、多くすればよいものでもありません。精度の低い唾液検査などですと、陽性の人が陰性と判定されたり、陰性の人が陽性と判定されたりするからです。しかし、一般的には、陽性率が5%ぐらいになるように検査をしなければ、取りこぼしが多く、取りこぼされた陽性者が、日常生活を送る中で、市中感染を広げ、一気に大阪の感染者が増大するいわゆるオーバーシュートの危険性をはらんでいます。
 
大阪市の保健所に電話してもつながらない、陽性者と接点があってもなかなか陽性者と認めてもらえない。行政検査が許可されても検査日が7日後といわれた人が出ています。そうなれば、結果として検査を受けない例も出ています。
 
これは、大阪市でのPCRのキャパが少ないことに起因しています。
 
 
キャパが少ない根本原因として、行政検査であるコロナPCRを行う大阪市立環境科学研究所と大阪府立公衆衛生研究所の2つの地方研(地方衛生研究所)を大阪府と大阪市の政治家が、3年前に二重行政の無駄といって、2017年4月に大阪健康安全基盤研究所に統廃合し2つから1つに減ったからです。統廃合後も、人材交流が進まず、その間にコロナが来てしまったのが実情です。
 
政令指定都市の大阪市と人口第3位の大阪府には、やはり、無駄な2重行政ではなく、コロナの今となっては、だれの目から見ても2つの地方研は必要であったことを意味していると考えます。結果論として、統廃合は間違った判断と思います。
 

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<院長 渡邊 章範(たかのり)略歴>

平成10年3月大阪市立大学医学部卒業(医師)。平成15年3月大阪大学大学院卒業(医学博士)。第一回RNA若手の会からの参加者で、第一回RNA学会会員(当時大学生)。大阪市立大学医学部、阪大微生物研究所などでRNAの研究を行う。結核予防会での非常勤職員としておよそ4年間勤務。文部科学省日本学術振興会特別研究員(PD)、大阪市立大学附属病院総合診療科高血圧グループ後期臨床研究医(シニアレジデント・SARSの時は発熱外来も担当)を経て平成18年5月17日上本町わたなべクリニック開業。現在に至る。総合診療医としてメディア出演多数。コロナウイルスの専門家としてのメディア出演も50回を超える。翻訳本として「マシューズ生化学要論(東京化学同人)」。「病気の9割はこれで治る!血管と自律神経(主婦と生活社)」、「その痛みやモヤモヤは 「気象病」が原因だった」、「気象の変化が、自律神経を狂わせる!(青春出版社)」執筆。上本町わたなべクリニックは、中国大使館・ハワイ州・タイ・ベトナム・マレーシア・カンボジア・ラオス・ミャンマー・台湾・シンガポール・ブルネイ・韓国のコロナPCR検査指定医療機関です。