タイムトラベル 絶滅動物志しし座


序章  新人類対旧人類



西暦2776年、人類は追い詰められていた。


人間の科学者が創り出した新人類、「プリオン人間」は、人間よりも優秀だったのだ。


最初彼らは、3Kと呼ばれる危険で汚く苦しい仕事を、人間の代わりにやらされていた。


しかし、彼らは革命のチャンスをずっと待っていたのである。


彼らは革命を起こすと、あっという間に地球を征服した。


この小説は、人類最後の一人となった女の子の逃亡の物語である。



「なんとかお父さんの研究所まで、逃げなきゃっ。」


強制収容所から逃げ出した、上原由衣は父の研究所向かって走っていた。


「あそこに行けば、まだなんとかなる・・・。人類の歴史をかえるんだ!」


由衣は研究所に着き、中に飛び込んだ。


しかし中には、プリオンの兵士達と、一人のプリオンの科学者が居た。


「おや、ご苦労だね、由衣君。 しかし君のお父さんも面白いことを考えるね。

これはタイムマシンかね?まだ未完成のようだが・・・。」


球形型の機械を指差してプリオンの科学者は言った。


「博士、今は何時でしょうか?」


由衣は机の上にあった腕時計をはめながら尋ねた。


「まだ、11時だよ。収容所に戻ってくれないか? 旧人類の体を色々調べたいのだ。」


「どうしてあなた方プリオン人は、私達人間に酷い事をするんです。」


由衣は、腕時計の時間を合わせるような仕草をしながら言った。


「どうしてって? 自然の摂理じゃないか。優秀な者が繁栄して、下等な者が滅びる。

君達だって、ネアンデルタール人を滅ぼしたじゃないか。」


「博士、私は生命に貴賎は無いと思います。」


「ふん、君は仏教徒かね?」


「私は、生物が滅びる理由を調べて、人類の歴史をやり直すつもりです。」


「君の言っていることは、よくわからないが・・・。」


博士は不振そうに言った。


「私は旅に出ますので、そろそろ失礼します。」


由衣は腕時計をいじりながら言った。


「ま、まさか? そいつを捕まえろ!!」


博士は叫んだ。


次の瞬間、由衣の体は消えていた。


由衣のお父さんは、腕時計型のタイムマシンを完成させていたのだった。



上原由衣の人類復活の旅が始まった。