山門の声に色を添えてみる | 東京都練馬区の塗装・内装工事の専門店 上原塗装工芸のブログ

今年の大晦日を迎える仕事納めは山門の修復でした。


永年へと繋げる新たな色付けと

立派なケヤキの木肌を復元すること

 


 

 

山門の樹木に触れることで見えてくる色合いは、
木の持つ色を上手く使い分け、濃淡を表現していた。


彫刻を施した横梁柱は白木を使い、梁を支える木材は落ち着いた板目の黒味、円柱は赤味を抑えた深い色。

腐りやすい切った木口の断面には胡粉が塗られていました。

 

 

扉には空襲で焼けた黒く焦げた痕もあり、史実を残すことができました。

 

山門に施された銅の装飾板を支える銅釘や銅太古鋲は
すべて手打ち作りのもので留めてありました。

 

 

 

 

大正期に作られた山門を今期に、当時の手法を胡粉や鋲の永年劣化状態から読み取り、同じ工法を用いて復元できたことが、とても嬉しい。

 

色選びに迷うと、身近な自然に目を向けてみることがありますが、色の捉え方をいつもと変えてみることで、根拠のある色彩いから学ぶことは大きい。

 

山門の色選びは、五大色を心掛け、自然体に配色することができました。

木の持つ色は赤色

装飾板は緑青を残し

銅製の太古鋲は黄色

化粧垂木の木口は胡粉の白

釘隠しは黒唄に仕上げました。

 

たくさんの人に山門をくぐってもらえたらと思います。