昨日は、現時点で今期アカデミー賞最有力と言われる、JOKERをIMAXで鑑賞してきました。

劇場のあるミッドタウン日比谷の前では、
焼酎のちょい飲みイベントをやっていたり、
映画祭に絡んで同時間帯でトイストーリー3を、
オープンエアで上映予定だったり、
かなり後ろ髪を惹かれつつも劇場へ。

ビールとポテトを仕入れてスクリーン4へ。
ビール🍺高いですね、ポテト🍟悲しいぐらい貧相ですね。


では、JOKER。

全体的には、ネタバレを気にするほどびっくりするストーリーではない、と、書いたら怒られるかも知れないけど、まあ、シンプルなストーリーです。
と、いうか、あえて難しい事は避けて、キャラクターの心理描写に集中させたかったのかなとも思います。

そのせいか、割と重要だけども込み入っている出生の秘密のところをガッツリ端折ってあるので、非常に謎が深まって気になって仕方なかったのですが、今思えば、監督が端折ったところはさらっと流しとくのが正しい鑑賞の仕方かなとも思います。

ストーリーがシンプルなかわりにお芝居は濃厚で、ど真ん中にストレートを投げ込まれた感じで凄かったですね。

見所としては、主人公の心の変化だと思います。

大きく変化するところとしては、2箇所あるかと思います。
1箇所目は誰でもわかる、あのシーンですが、ここから主人公は周囲の変化にどんどん流されていきます。

2箇所目はちょっと分かりにくいですが、「スッキリした」的なことを言う場面辺りからだと思います。
このセリフを僕は非常に違和感を感じました、この人ってこんなこと言う人だっけ?

主人公はここからは自ら変化していきます。
画面の絵作りもそれまでオーソドックスな表現で全体的に茶色や鼠色の色合いだったのが、色彩がどんどん鮮やかに変わってきて、汚れのない絵画のように清潔な画面、象徴的で静的な構図が増えてきます。
血液の色さえも変わったように思います。

初めの心の変化点は、まあそうなるよね、と主人公に自然に共感できますが、2箇所目の変化点は共感できる人と、そうでない人に分かれるのではないでしょうか?
僕は頭では共感できるけども、一段深いところではついていけてなかったのですが、最後に暴動が美しいく表現されています(賛否あると思いますが、僕はそう感じました)このシーンを見たとき、なんだかスッキリした気持ちになり、ジョーカーの気持ちに寄って行った気がします。なんでしょう、身勝手な正義感というか。

身勝手な正義感といえば、最近は煽り運転のニュースが多く流れますが、煽り運転をする人は自分では全く悪気がなく、身勝手な正義感が原因とか。
他にも、香港のデモや、アメリカのトランプ人気とか、先日バグダディが殺害されましたが、イスラム国に若者が多く参加するのもJOKERと良く似た境遇の人が多いことでしょう。
世相と映画がマッチするところが多くて怖いです。

制作にはかなり長い時間をかけているということなので、たまたまの一致だと思いますが、
制作開始時に製作者が、なんとなく感じていた社会の空気が同じ時間を経て偶然同じ結果を見たのでしょうか。

トランプとジョーカー、現実と物語が妙にシンクロする映画です。