2級土木施工管理技術検定試験の合格を目的とし、過去に出題された問題に関する項目・用語を解説しています。言葉だけではイメージがつかみにくいので、動画を併記しています。皆さまの学習の一助としていただければ幸いです。

 

●コンクリートの科学的浸食
コンクリートの科学的浸食は、外部環境による酸やアルカリ、塩類、油類、腐食性のガスなどによりコンクリートが化学反応を起こし、セメントの硬化の元である水和生成物が可溶性物質に変化して硬化体組織が多孔質化し劣化する現象です。
内部が多孔質化するとコンクリートの硬化性が失われ、変色や剥離が発生します。

 

●コンクリートの塩害
コンクリートの塩害は、コンクリート内部に塩化物イオンが浸透し、鉄筋が腐食し膨張する現象です。
内部の鉄筋が膨張で変形する事により、鉄筋軸方向のひび割れ、錆汁、コンクリートや鉄筋の断面欠損が発生するので、施工の際には水セメント比を小さくして長期養生で表面の乾燥を防ぎ対策します。

 

 

●コンクリートの中性化
コンクリートの中性化は、空気中の炭酸ガス(二酸化炭素)がコンクリート内部に侵入し、炭酸化反応を引き起こして通常アルカリ性であるコンクリート細孔溶液のPHが下がる現象です。
内部が酸性化すると鋼材が腐食し、鉄筋軸方向のひび割れや剥離が発生します。
コンクリートの内部は酸性ではなくアルカリ性なので、この設問は間違いです。

 

 

●コンクリートの疲労
コンクリートの疲労は主にコンクリート舗装の道路橋床版などで発生するもので、長期間の車両通行により繰り返し低レベルの荷重を受けることにより、徐々に破壊が進行する現象です。
梁補強鋼材の疲労破断やコンクリートの圧縮疲労破壊など、荷重によって内部の構成部材である補強鋼材にも影響が及び、やがて疲労破断にもつながります。