東方神起の日韓デビュー曲に関する一考察


-「Hug」と「Stay With Me Tonight」のMVを用いた比較調査を通して-











1、研究の目的





東方神起の韓国デビュー曲「Hug」と日本デビュー曲「Stay With Me Tonight」とのMVを比較考察し,日韓デビュー時のコンセプトの違いを明らかにする。






2,楽曲の概要





2-1,「Hug」




作詞:Park Chang Hyun / Kwon Yun Jun (英語版)


   Kenn Kato (日本語版)     


作曲:Park/Chang Hyun


編曲:Hitoshi Harukawa(日本語版)




東方神起の韓国デビュー曲。


2004年1月14日発売。




韓国語版,日本語版,英語版がある。


日本では2004年11月25日,来日記念としてInternational Ver.(英語版)が発売されたが、翌2005年の『Stay With Me Tonight』がメジャーデビューシングルとなっているため、こちらはシングルナンバーには計算されない。





韓国語版表記は「Hug」 日本語版・英語版表記は「HUG」





International Ver は中京テレビ・日本テレビ系『サルヂエ』エンディング・テーマ


中京テレビ・日本テレビ系『筧利夫&DA PUMPの少年チャンプル』エンディング・テーマ




2-2,「Stay With Me Tonight」





ずんだ(2012)「Stay With Me Tonightに関する一研究」を参照。 本稿では省略する。


http://ameblo.jp/ueg-sat/entry-11309915430.html







3,先行研究の概観(注1)







3-1,「Hug」の先行研究





以下に示す先行研究は、日本語版「HUG」のレビューである。







3-1-1,市川哲史によるレビュー





市川(2010)は、「コーラスグループという名刺」と見出しをつけた上で,


「圧巻のアカペラ・イントロと全編に敷き詰められたコーラスのじゅうたんが,東方神起とは何者なのかを雄弁に物語る一曲だ。


韓国におけるデビュー曲で,まさに名刺代わりに相応しい。


日本では1stアルバム「Heart, Mind and Soul」収録にとどまったが,それでもファンの間で人気が高いのは当たり前だろう。」


と述べている。







3-1-2,東方神起4th season8によるレビュー





東方神起4th season8(2012)は,


「来日を記念してリリースされたプレデビューシングル。


ミュージックビデオでの5人のあどけない表情に胸がキュンとなるが,ファンの心を打つ美しいハーモニーと歌唱力はこの頃から健在。


日本でトップアーティストに上り詰めた彼らの出発を記念する一枚。」


と述べている。







3-2,「Stay With Me Tonight」の先行研究





ずんだ(2012)「Stay With Me Tonightに関する一研究」を参照。 本稿では省略する。


http://ameblo.jp/ueg-sat/entry-11309915430.html










4,調査研究










4-1,研究方法





「Stay With Me Tonight」と「Hug」のMVを視聴し、それぞれのメンバーが「何拍分」MVの映像に登場しているかを調査し、そこから示された数値を元に考察する。





MVは楽曲のリズムやメロディーの流れに合わせて編集・構成されていると考えられるため、本研究においては、MVにおけるメンバーの登場「時間」ではなく、「拍数」で計測を行うものとする。





調査にあたっては、各メンバーが、「個人」で登場している場面と、数名または「全員」で登場している場面の二場面に着目して行う。





全員が登場している場面でアップになっている場合は、「全員」と計測する。


メンバーが登場していない場面は「その他」と計測する。







4-2、調査結果





4-2-1,「Hug」の調査結果





表1 「Hug」のメンバーごとのMV登場割合






























 割合(%)
ジュンス8%
ユチョン13%
ジェジュン14%
チャンミン12%
ユノ11%
全員30%
その他(少女)12%






東方神起の楽曲に関する一研究







       図1 「Hug」のメンバーごとのMV登場割合







4-2-2,「Stay With Me Tonight」の調査結果







表2 ,「Stay With Me Tonight」 のMV登場割合






























 割合(%)
ジュンス6%
ユチョン4%
ジェジュン10%
チャンミン9%
ユノ5%
全員60%
その他6%



東方神起の楽曲に関する一研究




     図2 ,「Stay With Me Tonight」 のMV登場割合




4-3,考察







4-3ー1,「Hug」の考察





東方神起の韓国デビュー曲である「Hug」のMVにおいては、メンバー全員の登場場面が全体の30%しかなく、メンバー個人での登場場面が58%を占めていることが分かった。





さらに、個人での登場場面の映像を質的に検討すると、全身像よりも顔のアップが圧倒的に多いことも分かった。


ではなぜ、このように「Hug」のMVは「メンバー個人の顔のアップばかり」に編集されたのだろうか。

その理由を以下で考察していく。





「Hug」はデビューシングルであるため、東方神起のメンバー全員が社会から認知されていない状況で発売された。




製作者側は、数多くのファンの獲得するため、まずは「東方神起にはどのようなメンバーが所属しているのか」をはっきりと示し、その認知度を高めていく必要があった。


そのため、MVでは、顔のアップの映像を数多く取り入れて、メンバー一人ひとりの顔立ちやキャラクターを強く印象付けることを重視した編集がなされたと考えられる。









また、「Hug」の楽曲自体も、コーラスパートが楽曲全体の3割しかなく、各メンバーのソロパートが7割を占める構成になっている。(注2参考資料参照)





以上のことから、「Hug」は、5人のメンバー一人ひとりの顔立ちや歌声といったアイドルとしての個性を前面に出し、それをアピールすることを目的として製作された楽曲であると考察する。







4-3-2,「Stay With Me Tonight」の考察







本項では、先に述べた「Hug」の調査結果と比較しながら考察していく。





「Hug」とは対照的に、メンバー全員の登場場面が全体の60%を占めており、個人の登場場面は34%にとどまっている。

この点から、「Stay With Me Tonight」のMVは、メンバー個人一人ひとりよりも、東方神起というグループとしての一体感を大切にした編集がなされていると考えられる。





また、全員が登場している場面の映像を質的に検討してみると、5人のダンスシーンが多いことが分かる。

この点からは、東方神起はダンスグループである点をアピールしようとした意図が読み取れる。




さて、先行研究「Stay With Me Tonightに関する一考察」において、ずんだ(2012)は、「東方神起はアイドルグループでありながら,コーラスグループであり,その魅力は,何よりも歌唱力の高さにある」と述べている。





このことから、東方神起の日本デビュー曲「Stay With Me Tonight」では、楽曲そのもので「歌唱力の高さ」をアピールし、それに加えてMVで「ダンススキルの高さ」を強調することを目的として製作されたと推察する。







4-3-3,総合考察 日韓デビュー曲のMVの違い










本研究では、東方神起という新人アイドルグループ(当時)の日本と韓国のデビュー曲のMVをそれぞれ量的に検討してきた。


その結果、日本と韓国では、MV製作にかかわるコンセプトが大きく異なることが明らかになった。




まず、韓国デビュー曲「Hug」は、メンバー個人の認知度を高めながら、「一人ひとりの」ボーカルやルックスなどの魅力をアピールすることを目的として製作されたと考えられる。





反面、日本デビュー曲「Stay With Me Tonight」は、東方神起という「グループとしての」ボーカルやダンスなどの魅力をアピールすることを目的として製作されたと考えられる。





MVの製作コンセプト=売り出しコンセプトであると考えるならば、韓国はメンバー「個人」を大切にした売り出し方であり、日本は「グループ=集団」を大切にした売り出し方であったと言えるだろう。







5、今後の課題







「Hugの考察」で記したとおり、メンバー全員の顔をファンに認知してもらう目的で編集されたならば、MVにおけるそれぞれのメンバーの登場場面の割合はほぼ同じにする必要があると考えられる。


しかしながら、本調査では、メンバーによって、その登場場面の割合にばらつきがあることが明らかにされている。





具体的には、「Hug」において最も登場場面の多いメンバーはジェジュンであり、全体の14%に登場している。

反対に、最も登場場面の少ないメンバーはジュンスであり、わずか8%しか登場していない。両者の開きはおよそ1.8倍である。





ジェジュンは東方神起のメインボーカル担当であり、本楽曲においても最も多く歌唱していることから、映像での登場場面も多くなったと考えられる。





しかし、このように必ずしも歌唱している割合とMVの映像に登場している割合が一致しているわけではない。

歌唱割合が少なくても、映像の登場割合が多いメンバーもいる。(注2 参考資料参照)


このばらつきの理由については、今後の課題とし、他の楽曲とMVの調査を通して検討していきたい。







6,謝辞






こんなにも長く、かつマニアックな記事を最後まで読んでいただけたことに、心から感謝いたします。


ありがとうございました・・(涙)




さて、「Hug」のMVに出演している「少女」は、おそらくユノ主演ドラマ「地面にヘディング」でヒロイン役だった「アラ」という女優さんだと思われます。

この少女が、MVではメンバーのユノやジュンスよりも出番が多いのにはびっくりです。
 


  




(注1)先行研究の定義


本研究においては,雑誌やネットの記事など,様々なメディアにおいて,この楽曲がどのように語られ,評価されてきたかに関わる記述,及び本楽曲に関わるインタビュー内容等を「先行研究」と定義する。







(注2)参考資料:「Hug」における歌唱の割合(コーラスは主旋律を歌っている割合)









































 ソロコーラス合計
ジュンス13%5%18%
ユチョン8%6%14%
ジェジュン27%8%35%
チャンミン18%8%26%
ユノ3%4%7%
 69%31%100%




ソロパートが曲全体の7割、コーラスパートが3割であり、ソロを充実させた構成になっている。


コーラスパートが7割、ソロパートが3割の「Stay With Me Tonight」とは、全く正反対の構成である点が興味深い。









東方神起 ブログランキングへ


にほんブログ村 芸能ブログ 韓国男性アイドル・アイドルグループへ
←↑ポチして頂けると、今後の研究の励みになります。どうぞよろしくお願いします。

にほんブログ村













<引用文献・参考文献>







市川哲史(2010)「ベスト盤レビュー 「THE BESTSERECTION」 25曲解説」


『日経エンタティメント』3月号 p.63 日経BP社

(2012)『東方神起4th season8』 p.43 株式会社メディアソフト

wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%96%B9%E7%A5%9E%



E8%B5%B7

ずんだ(2012)「Stay With Me Tonight」に関する一考察」 


http://ameblo.jp/ueg-sat/entry11309915430.html








<関連記事>





「シアワセ色の花」に関する一考察」 http://ameblo.jp/ueg-sat/entry-11318770632.html


「東方神起の歌詞に関する一考察」
http://ameblo.jp/ueg-sat/entry-11330895873.html


「Somebody To Love」に関する一考察」 
http://ameblo.jp/ueg-sat/entry-11313777247.html








<資料MV>





※ MVの動画がうまく貼り付けられないので、


  「<資料>東方神起の日韓デビュー曲に関する一考察」の記事に貼り付けました。


  http://ameblo.jp/ueg-sat/entry-11335867437.html