今日、日本テレビの情報番組『PON!』が終わります。
日本テレビアナウンサー時代、1年間MCを担当した番組でした。
私にとって今でも大好きで大切な番組です。

入社2年目から毎年、先輩の夏休みや冬休みなどの際に代打を担当していました。
芸能人の方がたくさん出演していて、とても華やかな空間。
「本当に生放送なのかな!?」と思うくらい、出演者みなさんがリラックスして本番に臨んでいました。
キラキラとまぶしくて、タレントさんとの共演や生放送の経験があまりなくビクビクしている私。
とても居心地が良い雰囲気を作ってくださる出演者とスタッフのみなさん。
代打に行くたびに「いつかこんな番組を担当できたらいいな」という思いが強くなっていました。
 
6年10ヶ月のアナウンサー生活。
報道、情報、バラエティ、スポーツ。
代打を担当することが多かった私は、いろんなジャンルの番組を経験してきました。
徐々に自分の得意なことや好きなこと、やりたいと思うことがわかっていく中で、”いつか『PON!』みたいな番組を担当したい…”が、”いつか『PON!』を担当したい!”に変わりました。
その中で新しい夢が見つかり、アナウンサーを辞めようと考え始めてから2年ほど経った頃…
『PON!』を担当することが決まりました。
同時に、「『PON!』をアナウンサーとしての最後の仕事にしたい」と心に決めた瞬間でもありました。
大好きでやりがいを感じていたアナウンサーという仕事。
初めての帯のレギュラー番組に、初めてのMCのレギュラー。
入社前から憧れていて、アナウンサーとして尊敬していて目標でもあった杉上佐智枝アナウンサーと佐藤良子アナウンサーのお二人から引き継いだこと。
一番やりたかった番組につけるという夢が叶ったからこそ、最後にしたいという気持ちが湧いてきたのです。
ものすごくわがままで、自分勝手だと思います。
1日、1日、「来年の今日はない」と思って、オンエアに臨んでいました。
 
番組というものはいつまでもあるものではありません。
レギュラー番組がない期間も長く、担当した番組も終わってしまうことも何度もありました。
どんなに頑張っても、どうにもならないことがあるって、痛いほど感じてきました。
始まったものには、必ず終わりが来ます。
何度も、何度も、泣きました。
 
だから、『PON!』を担当していた1年間は、毎日がとても幸せでした。
会いたいと思う人がいること。
毎日、毎週、会える人がいること。
一緒に頑張ろうと言い合える仲間がいること。
必要としてもらえる場所があること。
 
アナウンサーとして自信が持てずにいた私が、アナウンサーになってよかったと感じることができたのは『PON!』の存在がとても大きかった。
いろんなきっかけを『PON!』がくれました。
 
退社を決意し、上司にその意思を伝え、『PON!』の卒業も決まりました。
自分から辞めるって言ったくせに、寂しくて、辛くて、担当最後の週は毎日子供のように泣きました。
水曜日と木曜日は、放送中は我慢していたんです。
ただ、金曜日は放送前から涙をこらえることができませんでした。
 

 

最後の日の朝、映像をチェックしながら下読みをするとき…

 


手カンペに書いてあったADさんからのメッセージに涙がボロボロ出てきました。
この手カンペはお願いして、もらって帰りました。
私の宝物です。
本当にスタッフさんにも恵まれていました。
 
放送中は我慢しようと思ったのに…
 

 

 

 

 

 

 

エンディングではこの有様。笑

かつて一緒に出演していたオジンオズボーンの高松さんから、放送後この写真が送られてきました。


この卒業のときの涙は、なくなって流してきた涙とはまったく違うものでした。

事前にMCの大木さんと岡田さんだけには退社することも報告していました。

(あとになって聞いた話では、ヒャダさんだけは気づいていたそうです。さすがだよなぁ)

感謝と覚悟の涙でした。


2014年10月2日が初登板。

はじめの3ヶ月は木曜日と金曜日、それ以降は水曜日と木曜日と金曜日を担当していました。

最後は2015年10月2日。

2度目の10月2日は、最初にMC席に座ったときの気持ちを思い出していました。

そういえば、初日は嬉しくて涙が出そうになっていたっけ。

 

今担当している『5時に夢中!』は、『PON!』ととても雰囲気が似ています。

スタジオの大きさも、外から見えるスタジオであることも、スタッフさんの人数も、放送中の空気感も、その他もろもろ。

最初の頃、下ネタに戸惑っていましたが、「下品なPON!だと思えばいいんだ!」とある日気がつきました。笑

私なりのアシスタントとしての番組への向き合い方は、『PON!』が教えてくれました。

MCの方が円滑に番組を進行できるようにする。

コメンテーターやゲストのみなさんが何の不安も感じず楽しんでいただけるようにする。

スタッフのみなさんの意図を汲み取り、出演者のみなさんとの橋渡し役になり、気づいていないところをフォローしてミスが最小限になるようにする。

ゆるい雰囲気が魅力だからこそ、締めるところを締める。

その上で全力で楽しむ!!

表には出ているけど黒子のようにサポートに徹するのが、私なりのアシスタント像です。


「タレントになって、売れっ子になって、ゲストとして出演する!」という夢は残念ながら叶いませんでしたが、またいつかここで出会ったみなさんと仕事ができるように頑張ります。





 

大好きだったPON!ファミリーのみなさん、本当にありがとうございました。


せーのっ


 

PON!



上田まりえ