私が野球を好きになったのは、中学2年生のときのこと。
それまでの私は、野球のことが好きではありませんでした。
野球という競技に、どちらかといえば”ダサい”イメージを持っていたし、好きなテレビ番組の放送がなくなるし、ルールも複雑でよくわからないし、「投げて、打って、走って、何が楽しいんだろう?」とさえ思っていました。
それが、野球部の男の子を好きになったことで、野球を勉強し始めたところ…
気がつけば、その彼よりも野球にどっぷりとハマってしまった自分がいました。
「好きな人が好きなことを、私も好きになりたい!」という性格のおかげで、人生の伴侶にしたいと思えるものに出会えたのだから、きっかけなんてわからないものです。
高校時代は、ウグイス嬢したさに、放送部に所属しました。
鳥取県大会や中国地方大会の試合において、自分の高校が担当のときは、会期中毎日、朝から夕方まで球場にいて、アナウンスを担当していました。
その当時の愛読書は、『seventeen』などのファッション誌よりも、『月刊ホークス』。
同じ山陰地方出身の和田毅選手のファンになったことがきっかけで、福岡ダイエーホークスのファンになりました。
発売日には、授業が終わった瞬間自転車に乗って高校を飛び出し、高校から一番近い書店へ。
帰りの汽車の中で、座っていようが、立っていようが、無我夢中でページをめくっていました。
次号の発売日までその雑誌を毎日通学カバンの中に入れ、通学時はもちろん、授業の合間の10分間休憩やお昼休みにも、帰宅しても勉強の合間、寝る直前まで読みふけっていました。
表紙から裏表紙まで、広告も含めて、すべてのページの1文字1文字を逃さないほどの気合いの入れようでした。
大学受験も、野球部が強い大学しか受けていません。
マネージャーになりたかったので、女性でも入部できるところを調べてから願書を出しました。
野球の勉強がしたかった。
鳥取県では観ることができない、いろんな野球に触れてみたかったんです。
受験勉強そっちのけで、マネージャーになったときのためにと、スコアブックをつける練習を始めました。
高校野球の好きな試合のビデオを流しながら、スコアブックの書き方の本を片手に、何度も一時停止をしながら、何度も消しゴムを使いながら、スコアの書き方を練習しました。
専修大学入学後、野球部のマネージャーになろうと思っていたのに、住んでいた場所とグラウンドまでが片道2時間半ほどかかるということから断念。
どういった形で野球と関わっていこうか悩んでいたところ、早稲田大学の野球部の練習を観に行ったことが、更なる野球好きへの第一歩。
大学入学時には就職活動もアナウンサー1本でいくと決めていた中で、自然と「野球実況のアナウンサーになりたい」という思いが芽生え、とにかく時間があれば大学野球からプロ野球の2軍まで、さまざまな球場に足を運びました。
アナウンサーという職業以外にも、興味があることはたくさんありました。
雑誌のライターや新聞社の記者、スポーツメーカー、トレーナー、栄養士、球団職員…
とにかく野球に関わりたいという思いがありながらも、最終的にアナウンサーという職業を選んだ決め手は「逆に大好きな野球と関わることができなくても、やりたいと思うことだったから」。
採用試験の際は、最初から最後まで、野球の話しかしなかった。
そんな私が運良くアナウンサーの内定をいただき、入社してしばらく経ってから気持ちが変わりました。
大好きだからこそ、アナウンサーとして野球の仕事には携わるのはやめよう。
アナウンサーという職業柄、野球を好きだと言うと、よく「プロ野球選手と結婚したいんでしょ?」と言われることが、自分の中で悔しかったんです。
局アナ時代は、ある時期から球場にほとんど行っていません。
誰に言われたわけでもなく、自分のルールとして決めました。
退社後、久しぶりに球場へ行ったとき、「やっぱり私は野球が大好きなんだ」と確認しました。
人生の大事な選択は、すべて野球で決めてきました。
私の人生は野球で形作られているのだと実感したし、あるときから掲げていた「野球に恩返しすることが人生のテーマ」ということが1番なのだと思いました。
長くなりましたが…
どうして今回このような記事を書いているかというと、土曜日に初めて野球の仕事に携わらせていただくからです。
みなさまからの、「念願の野球中継、良かったね!」「おめでとう!」という言葉、とても嬉しかったです。
ですが、私自身、少しだけ複雑な気持ちもあります。
今回の副音声なのですが、解説ではなく、あくまで試合を観戦しながらおしゃべりをしようと思っています。
あくまで、いち野球ファンとしてです。
私は、野球経験者ではありません。
どんなに練習しても、130キロのボールを投げることはできないし、ホームランを打つこともできません。
ただ好きだというだけで、実際にプレーした経験や仕事で関わっていたこともないので、選手やプレーに関しての解説や批評、論評はする立場にないと思っています。
12球団の中で、ある特定の球団のファンでないこともそうです。
野球というスポーツが好きだからこそ、1つに決めたくないという気持ちがあります。
とにかく、そのすべてが大好きなんです。
好きだからこそ、野球中継は、ただのファンとして観ている方が、絶対に楽しいに決まっています。
局アナ時代、1度も野球中継やスポーツ番組を担当したいと思ったこともありません。
だからこそ、お話をいただいたとき、嬉しかったのと同時に、不安な気持ちにもなりました。
みなさまが期待してくださっているようなマニアックな解説はできないと思いますが、野球ファンのみなさまと一緒に楽しみ、野球をあまり知らない方に「こんなに素晴らしいスポーツなんだ!」ということを、愛を持ってお伝えできればと思っています。
パリーグのペナントレースは佳境に入り、ますます熾烈な争いになっています。
そんな素晴らしい試合を生で観戦できること、そして、大好きなことを仕事をさせていただけることは、本当にありがたく、幸せなことです。
このような機会をくださったTOKYO MXのみなさまには、心から感謝しております。
野球の仕事は、いつかイベントの企画・運営や、グッズデザインなど、テレビの仕事などではない部分で携われるようになりたいと思っています。
球団職員ということも、今もまだ夢の一つとして自分の胸の中にあります。
「どういう形で野球と関わっていくか」ということも、自分のこれからの芸能活動の中でしっかりと探していきたいと思います。
「”野球まりえ”になりたい」というのは、心からの願いです。
何をもってそうなれるのか私自身わかりませんが(笑)、野球と添い遂げるくらいの気持ちで、これからも野球への愛を深めていきます。
気持ち悪いくらいの文章になってしまいましたが、仕事をさせていただくからにはどうしても私のスタンスや気持ちを伝えておきたくて、このブログを書きました。
いろんな応援の仕方や好きがあっていいのではと考えています。
ご理解いただけますと幸いです。
『めちゃイケ!』のオンエアとあわせて、ぜひご覧ください!
大学生のときに書いていた野球ノート。
野球まりえ