かような話題ならば、それなりに「権威」が必要だ。
芥川賞とか直木賞......
まずは、芥川賞
川上宗薫は候補五回で無冠のまま。諦めて官能作家に転向(それらを読む限り芥川賞作家たる資質の片鱗は感じない)
もっとも宇能鴻一郎のように受賞作家ながらそっちの道に安住してしまい、、、文壇の重鎮からは受賞返上のお小言を(^^)
もっとも佐藤泰志氏のように候補五回の果て自裁した例もあり、、、彼が受賞出来なかったのは不可解としか言いようがない。
さて原田マハ
直木賞候補が、確か四回、、、まだ無冠だ。
特段に世を儚んでいるようには見えない。芥川賞まっしぐらは思い詰める可能性が高いが、、、直木賞はエンタメだもん。
彼女は経歴からしてアートミステリー系ならばキラリとひかるが、それ以上にもならないし以下でもない、、、って以前から言い切ったことがある。誰からも非難されなかったからまあそうなんだ。
コレも原作は、原田マハ。
主演が中谷美紀さんだからまだ映画らしくみえますが、、、
ルオーが登場するのが「楽園のカンヴァス」
感心はしたが、もう中身は忘れた。
今回は「暗幕のゲルニカ」、、、むろんあのピカソ最大の問題作
絵画としてのMSG性や氏素性流転の数奇さからしても20世紀最大の傑作のひとつって、、、まあそうなんだ。様々な理由からバルセロナのどっかの美術館から絶対に動かさないと言われている。
でもレプリカがNYの国連安保理議場の一角にあります。
ナチスによるゲルニカ空爆の衝撃に触発された作品だが、いまや無差別的非道徳的戦闘行為全般に対する「怒り」の表明だとされます。
小説的にはNY近代美術館のキュレーターが、ピカソ回顧展を開催するにあたり、911以降のイラク侵攻やら反テロを標榜する不義な戦争を強引に進めようとするやり方に対する理不尽さに対抗するためなにがなんでも「ゲルニカ」をアメリカで展示すべく苦闘するっておはなし。
オチはなかなかの素晴らしさ。
今やピカソの大傑作である事を否定する向きはまずいないが、発表当時は冷ややかなものであった。
しかしナチスをはじめとする戦争の災禍の拡大がこの作品の価値を高めたって、、、実に皮肉なはなし。
老子曰く
大道廃れて 仁義あり......みたいなものだ