全世界で三百万部は売れたそうです。

下衆な事ですが、印税も相当に入ってきたのでしょうがさて置き...

彼の仮説の適否を論証するだけの知見はないが、

大きな視座からして、そんなんだろうなあ...ってシンパシーなくしては

あれほど売れなかっただろうから、相応の真理が含まれているはずだ。


それにしても経済書の映画化なんて空前絶後。

先ずもって、ピケティ先生は何を論じたのか?


資本主義の目指すものは資本の効率的な配分であり

公平な配分ではない。

結果として生じる富の不均衡は「富の再分配」でのみ

解決することができる。

資本主義をリフォームしなければ、

資本主義の背骨(民主主義の背骨でもある)中産階級そのものが瓦解する。


(以下は解説版の孫引き)

議論の出発点となるのは、資本収益率(R)と経済成長率(G)の関係式である。

Rは、利潤、配当金、利息、貸出料などのように、

資本から入ってくる収入のことである。

そして、Gとは、給与所得などによって求められる。

....Rは平均で年に5%程度であるが、

Gは1から2%の範囲で収まっていることが明らか...

このことから、経済的不平等が増していく基本的な力は、


資本収益率>経済成長率


という不等式にまとめることができる。

すなわち、資産によって得られる富の方が、

労働によって得られる富よりも速く蓄積されやすいため、

資産金額で見たときに一握りの上位者が

より裕福になりやすく、格差はより拡大...


補足

税制は国により異なるので、ピケティ先生は論じなかったが、

倭国の有価証券税制(分配金や売買益)では、

単一税率であるため、富裕層に有利になっており、

全体として負担税率は富めば富むほど低くなる...

累進課税とは「経済成長率収益..給与」の世界だけの話



彼の著作には鬱陶しい数式がなく、

可視化された統計値と当時の経済事情を背景とする名作文学で

構成されている。

それが、その映画化映像の切り張りや、理より情に訴える

画面がより事態をセンセーショナルに構成する



そもそもこの経済書がこの分野での実績に乏しい

シロ難解と畏怖されるみすず書房から刊行された事が不思議

今回の本邦上映権も...と言いたいが、

内容的にシロ難解があつかうようなレベルじゃない

しかし、竹書房があつかうとは


オリジナルを精読した方には勧めないが、

それなりのドキュメンタリーであることには間違いない。

読んだがもう忘れた方には...映画館に足運んでも良いが、

この駄日記読むだけで充