余計なお世話だが、同じ「戦犯国」として、
ドイツと比較される事の苛立ち...曰く「謝罪」が足りない、誠意が足りない。
最高権力者が口先でなにを言おうとも、憲法前文であれほどの痛切な悔悟を明記している以上、
まだ足りないと言うのは「銭め」以外なんだろう...って口には出さないが

それに引き換え、立派なドイツ...なんだそうです。
確かに、ナチスの犯罪は風化する事なく、手を替え品を替え
とりわけプロパガンダ力の高い映像に描かれる。
優れて資本主義的な藝術形式ですから、作家主義だけでは作れない。
一体製作費はどっから出てくるのだろう...と素朴な疑問。


ストレートにナチスの犯罪を描く手法は影を潜め、素材的に
ユニークになってきた。


ドイツの大企業のトップが惨殺された。
犯人はイタリアからのゲストアルバイター
犯罪事実に争いはないが、動機について頑なに口を閉ざす...
ミステリーとしての出来栄えはさほどではないし、セレブがナチスの残党だったってよくある話
描かれる内容は、懺悔し清算したとされる負の記憶
ナチスの子供達は合法的に温存された...


犯罪は、

構成要件該当性
違法性阻却事由非該性
処罰妥当性

なんかが在れば確実に刑罰に処せられる..訳ではない
公訴時効の壁が立ちはだかる。

60年代にナチス時代の辣腕検事であった法務省の高官が
ちょっとした法案を議会に提出し、すんなり通ってしまった。
法案の真の意図は語られないが、結果として多くのナチスの戦争犯罪者は
時効の強固な壁に守られる事になる。
さすがに法治国家です。
ヒトラー政権を産んだのも当時の世界一の民主的なワイマール法制





本来はこの大企業トップは判決はどうあれ法廷で裁かれるべきだった(当時の国際法的解釈ならば残虐な戦争犯罪にならなかった可能性が高い)
いわゆる門前払いに絶望したゲストアルバイターは自力救済を余儀なくされ、悲劇的な結末となる。


実話のようです
当時のドイツを震撼させた...と言われています。
なんか検察庁法改正問題と二重写しになるから、口の中が苦くなる。


ソクラテスの「悪法は法なりや?」が頭に浮かぶが、
法治国家においては法は法なりと決まっている。
善悪は問わない。
存在そのもの、不存在そのものに意味がある。
倭国には「戦犯」なるものはいますが、あれは軍事法廷での遡及処罰であり不法処罰そのもの。
国内法としての戦争犯罪処罰法制はありません....と思います。
陸海軍刑法が有効ならば処罰できたかも知れないが、早々に廃止された。
通常の刑法典だと、鳥豚の略奪くらいには対応できるが、所謂戦争犯罪には無力。

つまり、倭国には正当な意味での戦争犯罪者は誰一人としていない...はず。
その善悪にはコメントしない。
主権者の総意だったから....