静岡県の青少年条例は、第9条第1項で、


『知事は、興行又は図書類の内容が著しく性的感情を刺激し、著しく粗暴性若しくは残虐性を助長し、著しく犯罪若しくは自殺を誘発し、若しくは助長し、又は著しく道義心を傷つけるため、・・・指定することができる。』


と定められています。


 静岡県では、他県で一般的な「性的・暴力的・自殺犯罪」に加えて、「著しく道義心を傷つけるもの」というオリジナルの項目があります。


 そして、その具体的内容は、「静岡県青少年環境整備審議会における推奨、指定の認定基準」というので具体的内容が定められています。


 これが妥当であるかは、ちょっと見解が人によって分かれるでしょうねぇ。



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1   条例第9条第1項に規定する有害図書類の指定の基準は、次のとおりとする。


(1) 著しく性的感情を刺激するもの


 ア 書籍、雑誌その他の刊行物中文章で表現している部分


  (ア) 男女の肉体の局部を露骨に表現し、卑わいな感じを与えるもの
  (イ) 性的関係を結ぶに至るまでの方法、過程等を過度に描写、表現しているもの
  (ウ) 変態的な性欲を露骨に描写、表現しているもの
  (エ) 文学的、医学的、民俗学的その他学術的内容であっても、性に関する記述を必要以上に著しく不自然に描写、表現しているもの
  (オ) その他素材、描写、表現等が、(ア)から(エ)までの内容と同程度に卑わいな感じを与え、著しく青少年の性的感情を刺激するもの


 イ 書籍、雑誌その他の刊行物中文章で表現している部分以外の部分及びその他の図書類


   全裸、半裸若しくはこれらに近い状態での卑わいな姿態又は性交若しくはこれに類する性行為で次に掲げるものを描写、表現しているもの(陰部を覆い、ぼかし、又は塗りつぶしているものを含む。)


  (ア) 女性の大たい部を開いた姿態
  (イ) 陰部、でん部又は乳房を誇示した姿態
  (ウ) 男女の愛ぶの姿態
  (エ) 自慰の姿態
  (オ) 女性の排せつの姿態
  (カ) 緊縛の姿態
  (キ) 男女の性交又はこれを連想させる行為
  (ク) ごうかんその他のりょう辱行為
  (ケ) 同性間の性行為
  (コ) 変態性欲に基づく性行為
  (サ) その他(ア)から(コ)までの内容と同程度に卑わいな感じを与えるもの



(2) 著しく粗暴性若しくは残虐性を助長するもの


 ア 殺人的場面や暴力場面を過度に描写、表現しているもの
 イ 殺傷による肉体的苦痛(私刑、拷問を含む。)若しくは精神的苦痛を刺激的に描写、表現しているもの
 ウ 暴力手段、方法等を詳細に描写、表現しているもの
 エ 動物の虐待を描写、表現したもの
 オ その他素材、描写、表現等が、アからエまでの内容と同程度に青少年の粗暴性若しくは残虐性を著しく助長するもの



(3) 著しく犯罪若しくは自殺を誘発、若しくは助長するもの


 ア 犯罪を肯定し、かつ、賛美するよう描写、表現しているもの
 イ 犯罪の手口を模倣可能なように詳細又は具体的に描写、表現しているもの
 ウ 自殺を正当視し、又は心中することを魅力的に描写、表現したりしているもの
 エ 自殺の手段、方法を詳細又は具体的に描写、表現しているもの
 オ 暴走行為に関連する犯罪を肯定し、又は賛美し、勧めそそのかす描写、表現しているもの
 カ その他素材、描写、表現等が、アからオまでの内容と同程度に青少年の犯罪若しくは自殺を著しく誘発、若しくは助長するもの



(4) 著しく道義心を傷つけるもの


 ア 民主主義の原則に反する思想や行動を極端に表現しているもの
 イ 訴訟及び裁判の手続きを正しく表現しないもの又は裁判を不当に風刺し、あざけるように表現しているもの
 ウ 宗教を取り扱う場合においては、それを故意に風刺し、あざけり、又は憎悪をもって表現しているもの
 エ 虚偽、どん欲、怠惰、憎悪、放とう等罪科の賞賛を暗示するもの
 オ 結婚を神聖視せず、家庭を尊重しないなど、奔放な結婚を容認する等、結婚を軽々しく取り扱っているもの
 カ 背徳的な男女関係を魅力的に取り扱い、又は肯定するような表現をしているもの
 キ 売春を正当視し、又は女性及び年少者の人身売買並びに身体障害者及び病傷者を素材として刺激的に取り扱っているもの
 ク 売春その他これらに類似する行為などに好奇心を起こさせ、又はそれらの行為に勧誘し、若しくは従事することを誘発するような表現をしているもの
 ケ その他素材、表現等において青少年の道義心を著しく傷つけるもの