平日の市街地は,人も少なく,街自体がすでに寝静まったかのような印象を与える時間。

どこからか,口笛が聞こえる。
どこかで,聞いたメロディ。

それは,尾崎豊の「I Love You」だった。

どこで誰が・・・?
パレオのエスカレーターを降りていくと,急に音が近くなった。
音は,エスカレーターの下の道路から,私が行こうとしている方向へ向かっている。

・・・あっ,今,目の前を過ぎた,中年リーマンだ。

それはなんだか意外な光景で,私は一瞬,不思議な感覚にとらわれた。

くたびれたスーツに不似合いな,穏やかで切ないメロディ。
尾崎のイメージとは,それは,あまりにかけ離れていた。

でも。
「あぁ,そうか。」と思った。
いくつになったって,心の灯は,消えないんだな,きっと。
それってなんだか,勇ましくてカッコいい。


・・・がんばれ,リーマン。
今週も,あと少し。