どんなに才能あふれる人間であっても、
弱点というのは、必ず存在するものである。
かく言う比類なき天才の私ですら、
「大き過ぎる」という(もちろん存在感や人望が)、
コンプレックスに似たウイークポイントを抱えている。
先日は、銭湯でのエピソードを例に挙げたが、
そのほか特に、男女の関係となると、
立派過ぎるのは考えものである。
相手に嫌がられたり、
時にはひどく相手を傷つけてしまうこともあるからだ。
ただし、いくらコンプレックスを抱えていようとも、
それから目を背けたり、
くよくよ悩んだりするのは絶対に間違っている。
逆境を力に変えることこそ、
コンプレックスを克服する
最善にして最良の方法なのだ。
私に至っては、
「大き過ぎる」という、ある種の弱点を、
むしろ“武器”として利用することすらある。
これまで私は、ニセ超常現象の調査中、
何度となく命を狙われてきたのだが、
そんな状況を、この“武器”ひとつで
やすやすと切り抜けてきた。
先日かかわった、万練村での一件でも、
凶器を手に殺気立った多数の村人たちを、
“大きさ”という武器と、
「どうです?」の一言で
見事なまでに蹴散らすことに成功している。
それを可能にしたのは、私の男としての器……、
つまり“格の違い”が、
自然と彼らに伝わったということだろう。
欠点を強みへと昇華させる力。
それは自分自身の志(こころざし)次第なのである。