とあるライブに誘われ、とても貴重な時間を過ごしてきた。
ある方が亡くなってから十年目という節目のライブ。
厳密にいうともっと深い深い意味のあるライブなのだが、とにかく貴重なライブだった。
終始にぎやかな感じで、その亡くなった方の友達や知り合いのバンドが出て、十年と言う節目にはなむけをした。
その方がいたバンド自体解散して長いので、久しぶりにその時の楽器を演奏してる人なんかもいた。
自分はそのバンドの存在は知らなかったのだが、とにかく音楽をみな楽しんでいる。
その楽しみ方が尋常じゃない。
久しぶりにこんな素敵な大人達を見た。
そのメンバーのなかにハナレグミこと永積タカシもいた。
そのときは彼はジャンベたたきだったらしい。
唄うたいの彼しか知らない自分にはとても新鮮だった。
そして、唄うたいの彼が歌った。
その中の一つ。
「光と影」
新しいアルバムでかなり聴いていたが、この曲を生で聴くのは初めて。
鳥肌が立った。
その会場の空気が完全に止まった。
彼が今は亡き友人に贈る、そしてまた新しくやってきた歯がゆい死に対する、彼の魂の熱唱だった。
熱唱なんていうと安っぽいが、他に言葉が見つからない。
その時彼は、死と隣り合わせにある生きるという塊、命の塊に見えた。
こんな貴重なライブを間近で見ることが出来て、自分もいろんな事を考えさせられた。
生と死
普段は日常にうもれて見えにくくなっている事だが、今、すぐ隣に死があるわけで、でもそれを常に意識して生きていく事はすごく難しい。
じゃあ何を意識して生きていけばいいのかと考えたら、答えは簡単、今を精一杯楽しく生きるということなんじゃないだろうか。
この方がいたバンドはそれを皆知っているから、こんなに楽しそうなのだ。
自分がこの世に生まれてきたのには使命があるだとか、そんな小難しい事ばかり考えていても肩が凝るだけなんで、今を、この一瞬を大切に、毎日を積み重ねていくしか無いんだと胸に刻む事が出来た日だった。
誘っていただき本当にありがとうございました。
