Occupy Wall Streetのモットー"We are the 99%" | マンハッタンのランダムウォーカー

Occupy Wall Streetのモットー"We are the 99%"


先日、ミッドタウンのカフェに行った時のこと。私のすぐそばで、(ゴックと同じビルに入っている会社の)駐在員の方が、米国人よりマンツーマンの英会話レッスンを受けていました。


会話の内容がどうやら、Occupy Wall Streetについてで、

Occupy Wall Streetは歴史的なイベントだ。君も参加すべきだ!!!我々は99%で、1%の人間だけが自由なんだ」等々、熱く語る先生のペースに駐在員の方は圧倒されているふう。


「我々は99%である("We are the 99 percent")」

これは、Occupy Wall Streetで使われているモットーです。アノニマスのビデオでも必ず触れられています。 (写真はロイターより)


マンハッタンのランダムウォーカー 「我々は99%である」について説明したサイトhttp://wearethe99percent.tumblr.com/

このサイトによると99%の人々がどういう人かと言うと・・・
「We are the 99 percent. We are getting kicked out of our homes. We are forced to choose between groceries and rent. We are denied quality medical care. We are suffering from environmental pollution. We are working long hours for little pay and no rights, if we're working at all. We are getting nothing while the other 1 percent is getting everything. We are the 99 percent. 」

そもそも、このような人達が本当に人口の99%も占めているのでしょうか?



以下によると99%は年収380,354ドル(約3,000万円)未満の人々です。
2008年ので古いけど
マンハッタンのランダムウォーカー
表:http://www.kiplinger.com/features/archives/how-your-income-stacks-up.html


(この表によると、上位1%の人が所得税全体の約40%を納めています。下位50%、年収約250万円以下の人たちは、所得税全体の3%。このバランスの悪さは凄いですね。)


「我々は99%である」というのは、年収3000万未満だからレンジが広すぎ。我々が圧倒的大多数だと主張したいのは分かるけど、誇張し過ぎでは?この数字を信じている人達は、このデモに参加している人達だけかもしれません。



------


ところで、先日、CNNのニュースで、Occupy Wall Streetのデモ参加者を取材していました。主に、若者が多く、要求はばらばらで、金融・経済に関する関心が低いようで「金融機関に貸し出しした公的資金が、利子付きで返済されたことを知っているか」と言う質問に対して、知っている人はいませんでした。


全体として感じるのは、米国社会に対する不満を抱えた方々が集まった集団ということ。


社会に怒りを感じて、デモに参加したくなる気も分かります。私が米国に来た当初からこの国で生活のはキツイだろうと思っています。所得格差が大きい上に、特に、自身の能力を高め、就職の機会を広げる学費が高すぎるのと、健康的に安定した生活を過ごすために欠かせない医療費が高すぎるのです。


以下、チャートを見ると2000年から、カレッジの学費は約10倍、医療費は5倍。金融危機後も着実に伸びています。超インフレ状態アップ こんなにインフレして良い分野じゃないはず。



マンハッタンのランダムウォーカー

図:http://dshort.com/inflation/CPI-categories-since-2000.html?CPI-categories-plus-college-tuition-since-2000


例えば、100万円の学費が1,000万円。

これで就職難となれば、若者の不満も爆発しますよ。