ランゲージパートナーが見つかるまで第一章 | マンハッタンのランダムウォーカー

ランゲージパートナーが見つかるまで第一章

クレイグリストでランゲージパートナーが見つかるまで序章  に引き続いて、第一章オタク編。


ポストするとすぐに、返事が来ました。開けると、そのメールは約6段落ぐらいの長文だったので、私は「こんなに丁寧に返事してくれるなんて」と感動しました。メールは、「初めまして。」と日本語で始まり、続いて英語で約6段落にわたり、自分の日本語のレベルから、私に教えられること等が書かれていました。そして、最後の段落で、今、自分が興味ある日本について、書かれていました。


それは、「I know about things from」で始まり、「Morning Musume, AKB48, Perfume」。AKB48?????更に、これだけに止まらず、「I」の好きな歌手等が書き添えられていたのですが、私の知らないアーティストばかり。もしや、アニソンを歌っているアーティストかと思いと調べると、案の定、アニメのテーマソング等、歌っているアーティストとアニメの声優でした。


マンガ・アニメ好きの男性が日本語の勉強をしたいというのは、私にとって何も驚くべきことではありませんでした。「やはり」といった感じです。というのも、日本の料理、SAKE、ファッションが好きと言っても、日本語を勉強したいという欲求に繋がることは、ほぼないように見受けられます。また、ビジネス目的といっても、今や日本語より中国語を勉強することを選ぶ人が多いはず。その点、マンガやアニメ好きは、日本語で理解したい!と言うのは強い勉強意欲に繋がるようです。



ただ、AKB48と声優を突いてくる辺り、この人は、日本人のオタク並み。私は、「I」の欲求を満たせる自信がないので、お断りしようとしたのですが・・・・最後に、日本語で添えられた一文に、心動かされました。



「ごめん、 男だけど、心配ないよ。 友達だけなりたいんです。」


なんだか、いい人そう。それに、オタクは『電車男』のように女性に優しくて、安全。なにより、語学に対する熱意があるはず、と思った私は、自己紹介とランゲージパートナーとのミーティングの時間と場所等の要望を書いて、最後に、私が知っているアニメを書き添えました。Death Note、Ghost in the shell。



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そうしたら、また即返事が来ました。見ると、いきなり、「ちわっす」で始まり、続いて、「(笑)」、「じゃぁ」とか、親しげな文章になっている! 「ちわっす」って、未だあった人に使わない言葉でしょ。私がデスノと攻殻を知っていると言ったことで、「彼女には何も遠慮する必要はない!」と判断したのでしょうか?加速がついて、ニコニコ動画から「初音ミク」(右イラスト)まで発展。



彼が<真正>であることに、たじろぎつつも、私は、ニコ動のアカウントを持っていること、初音ミクも知っているけど、詳しくは知らないと返信すると。彼から、英語「僕はランゲージパートナーがたくさんいるんだけど、The first is an オタク like myself。」と書かれてました。



The first is an オタク like myself。



・・・・・・・・・・・ああああ、一息ついて、まあいいでしょ。もう、彼と顔合わせの日は決まっていたので、言いたいことは会った時にと話せばいい思いました。その後、彼から、初音ミクに関する説明メールが届いたのですが、2日後に会うからと思い、返信しませんでした。



そして、迎えた顔合わせ、当日。私が指定したのは、オタクなら誰しも知っていると思われる、ミッドタウン紀伊国屋。私は、10分前に到着しました。



当日は、真夏日で、暑い。約束の2時、彼らしき人は来ません。2時15分。汗が流れる。暑い。もしや?!!!



2時25分。来ません!3次元の女性が待ちぼうけ?なんとも表現しかねる思いが込み上げてきました。



「あら、Sさん。こんな所で、何してるんですか?」



見ると、友人です。「実は、ランゲージパートナーと初顔合わせの日だったんですが、いらっしゃらないのです。キャンセルされちゃったみたいで。」と答えると、「どうやって、見つけたんですか?」と聞かれたので、事の経緯を話すと、


「私はランゲージパートナーのサイトで募集して、見つけましたよ。もしかして、今日会おうと思っていたオタクの方って、○○じゃありません?



正にその通り。彼女曰く、2回ほど募集すると、2回とも真正オタク君から、真っ先に返事が来たとのこと。でも、彼の真正ぷり、勝手なところに、嫌気がさして会わなかったそうです。



帰宅後、メールボックスを見ましたが、真正オタク君からは何も連絡有りませんでした。どうして真正オタク君は待ち合わせに来なかったのでしょう。私が、初音ミクの説明文にレスしなかったから?それとも、まさか!遠目に私を見て、好みじゃないと判断されたとか?


一人目は徒労に終わりました。



■次回:第二章 ゲイカップル編