”聴く人のこと” | ♡卯月花のブログ♡

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幼い頃からの想い出を縦糸に
道草しながら出逢った人や動物たちとの交流を横糸に
綴っていきたいと思います。
昭和の良き時代を生かされた事は
幸せだったとしみじみ感じます。












私は 一昨年の夏に
肋骨にヒビがいったことから

母と一緒にベッドを並べていた
六畳の仏間から

隣の座敷で一人で寝ることになりました。
私が 傍に居ないことで
認知症の母は 混乱して
襖を開けて 私を見ると

「此処は 私の娘が 帰省したときに眠る所です。
見ず知らずの人が どうして寝てるんですか?
すぐに 出て行ってください。」

と 何度も言ってきました。

「お母さん 私は 花よ。私も お母さんの娘です。」

「あなたなんて 知りません。
早く 出て行って。娘が 帰れなくなるでしょう。」



娘が 心配して 私の代わりに
母と寝てくれるようになりました。
母のことも 娘がしてくれます。

私は 目眩や立ちくらみが始まり
食欲もなくて
二週間で 肋骨の痛みはなくなりましたが
起き上がれない日が続きました。

母の
「まだ 出て行かないの?」
の言葉が 心を辛くしました。

見かねた娘夫婦が
離れた部屋にベッドを置いてくれて
ようやく 静かに眠ることが出来ました。


私の 体調不良は 原因不明で
病院に通って 検査の日々でした。

母は 部屋が離れると
部屋まで来て
「花ちゃん 何で一緒に寝てくれんの。
寂しいから 一緒に居て。」

何度目かに ベッドに座る私の横に
母が座ったときに
何とも言えない拒絶感がわき
思わず
「出て行ってって 言ったのはお母さんよ。
頼むから 一人にしといて。
この部屋から 出て お願いだから。」



今 施設に入って一年半の母を
恋しく想う私ですが

このとき 一瞬ですが
母を 疎ましく感じた自分が
嫌いです。



でも 娘が
私を非難せずに 黙って話を聴いてくれたこと。
私の体調が戻るまで 母に寄り添ってくれたこと。
感謝です。


後になって
祖母を大好きな娘が
「一人で お婆ちゃんのことしてたら
お母さんは 毎日ずっとだったんだって
どんなに好きでも 大変だったなって
特に あのときは
お母さんは しんどいのに
お婆ちゃんは わからなくて
お母さんが 可哀想だった。」

自分で 自分が嫌いと感じたときを
娘が そんな風に思ってくれていたことを
聞いて 救われたようで嬉しかったです。


今 思うと
私は 娘に傾聴してもらっていたのですね。

技術はなくとも
同じ立場で 共感して
寄り添ってくれる想いで
立ち直れた気がします。

体調が回復するとともに
母への気持ちも わだかまりなく
元に戻りました。















🎄✨ pinterestより