幼い頃。
商店街の中にお堂があり前が広場になっていて
自転車の後ろに紙芝居の舞台を積んだ紙芝居屋さんが通って来ていた。
おじいさんとお兄さんが交代で来ていた。
昔話や外国の童話。クリスマスなどの季節のお話。
夏にはオバケのお話もあった。
小さな子ども用の椅子が並んでて
子どもが集まると紙芝居の始まり始まり!
始まる前にお菓子を買って食べながら見てる子。
ラムネのような味のピンクの板をくり貫いて
穴に五円玉や一円玉が通ると、その値段のお菓子が貰えるゲームがあって
ヘラでくり貫きながら削りカスのようなお菓子を食べながら見てる子。
割り箸の先に水飴を巻き付けてエビせん二枚で挟んだの。
板ガム見たいのに動物の形がくり貫けるように型が押してあって回りを破らずにくり貫けたらもう一個貰えるゲーム。
色んなお菓子とお菓子のゲームとくじ引きもあって
紙芝居も続きがあってまた来ない訳にいかない仕組みになっている。
紙芝居の舞台の下が引き出しになってて
この中には種も仕掛けもあるお菓子がイッパイ詰まっていた。
まさに子どもたちの夢が詰まっていた。
紙芝居のおっちゃんとお兄ちゃんはウチらのヒーロー!
紙芝居と玉手箱を乗せて颯爽と二輪車で現れる!
紙芝居をしているすぐ横のお家はお好み焼き屋さん。
小麦粉を薄めただけみたいな丸くて薄いお好み焼き?
お醤油を薄くのばして花鰹をチョロっとかけて新聞紙で巻いて?
五円か?十円だったかな?
今のクレープみたいだが?
かなりチープな見映えだが当時の子ともたちには美味し過ぎた。
パン豆屋さんも来る。
お母さんたちに言ってお米を持って行けばクルマの大砲みたいなのに入れてパーンって大きな音がしてお米が膨らんでパン豆の出来上がり!
お砂糖を入れると甘くてパリっとしたパン豆になる。
とにかく子ども達が群れて遊んでいた。
群れの中で色んな事を体験して肌で覚えていった。
大きい子に教わったり
よそのおっちゃんに教わったり。
誰かが面白そうな事をしてるとウッワーって皆が押し寄せる!
そこらじゅうが子ども達みんなの居場所だった。
ところで?
この頃の私は何人居たんだろう?
紙芝居も確実に参加していた。
貸本屋さんでマンガ借りて読み耽った。
就学前の無料の映画館に毎日のように通って東映の時代劇を暗記するくらいに観てた。
おママゴト・チャンバラごっこ・プロレスごっこ。
ぬり絵・おはじき・石蹴り・ゴム跳び・・・・・
町内会散策。
1日が今の10倍は詰まっていた。
それでも?
結構退屈して何をしようか?画策していた。
この頃を思い出すとキラキラ太陽に輝くビー玉の中に居るみたいだ。
クルクル思い出がめぐってただただ日向ぼっこの暖かさ。