言葉にすると、ひんしゅくを買うかもしれないが、私は犬の糞を踏みつけた。


行は、あ、こんなところにあると怒りではらわたが煮えたぎって踏まないよう気を付けていた。

が、帰りは、思いのほか買い物が安く上がった事で浮かれていたし、前からイケメンが来ていたので糞の事は脳裏から飛んでいた。

そして踏んだ。


あの踏んだ感触はなんとも言えない。経験したものでないと味わえない感触であろう。


だが、私はある意味ついていた。

雪があちこち残っていた。

残り雪で靴底をこすりつけながら、わが家までにすっかり満足に近い汚れ落シができたから。


もうじき雪は解ける。春がやってくる。


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