前回、国立大学附属小学校の最大のメリットを紹介させて頂きました。

今回は、2つ目以降のデメリットについて紹介させていただければと思います。

 

なお、何度も言いますがすべて私見ですので、ご家庭やお子様によって印象は異なると思います。

 

デメリットその②:授業がおそらく一般的な公立小ほど親切でない

 

附属小学校の入学試験の時にも念を押されますが、附属小学校はあくまで「教育実験校」です。

教育実験校とは何かというと、一般的な公立のカリキュラムから離れて、様々な新しい指導方法やカリキュラムを試みにやってみる学校であるということです。

 

娘の学校のカリキュラムを見ても、他の公立校では行われていない特色のある活動がたくさんあります。

このような新しい活動を他の学校に先んじて体験できるということはメリットではありますが、もちろんデメリットもあります。

そのカリキュラムなり教え方が、始める前からうまくいくという保証はないわけで(だからこそ実験校で試行している)、もし実際に取り入れてみてうまくいかなかったら、通っている子ども達にとっては不利益が生じる可能性があるわけです。

新しいこと、時代に先んじたことができるという反面、このような負の可能性を常に背負っているのが「教育実験校」の宿命とも言えるでしょう。

 

また、教育実験校ですので、「研究授業」が盛んに行われます。

先生方が他校の研究授業や勉強会に参加される機会も多いように感じます。

研究授業の前には、他の教科のコマをつぶしてその教科の授業が行われることがよくあるようです。

また、先生方が勉強会などへの参加のため出張で不在になり、自習していることもよくあります。

 

つまり、他の小学校のように授業が粛々と、淡々と進みません。

教科によって進む早さがてんでばらばらで、「まだこんなとこやってて大丈夫?」と思うことや、子ども自身が「最近社会全然やってないんだよね~」などと言っていることもあります。

かと思えば、全然進んでいなかった教科が、気がつけばものすごい早さで進んでいたり(遅れを急いで取り戻したんでしょうね)します。

 

附属小学校の子ども達は、大半が塾に通っていますし、そもそも教育熱心なご家庭が多く、お子さんもできる子が多いのでこれでも何とかなっています(娘の話では、中には全然何ともなっていない子もいるようですが)。

逆に言うと、これでなんとかなる子を入試で選抜して入学させているとも言えるでしょう。

 

なので、「勉強は学校が見てくれている」などとのんびり構えていると大変なことになります。

低学年のうちはともかく、内容が難しくなる高学年になると、特に塾などに通っていない場合には、授業の進度やお子さんの理解度を親の方である程度把握しておかないと、気がつくと置いてけぼりになっている可能性があります。

 

デメリットその③:みんな「できる」

 

附属小学校は、県内唯一の「お受験で入る」小学校であるため、教育熱心なご家庭や、県内の有名企業のご子息などが多数通っています。

地域の公立小学校で成績上位の優等生層が集まっているイメージでしょうか。

 

附属小学校がすごいのは、「勉強ができる」だけではないことです。

みなさん、勉強以外にもなにがしか秀でたものを持っているケースが多いのです。

楽器であれば、ピアノであれバイオリンであれ、コンクールで賞を取るような子が学年に10人はいますし、書道や絵画・造形などでも賞を取るような子が多数います。

芸能活動で有名な子もいますし、なんせもうなんかすごい!

 

附属小学校では毎年冬に合唱大会のようなものがあり、大きなホールみたいなところに集まり各クラス1曲ずつ曲を披露します。

その合唱の伴奏を、なんと2年生から生徒が担当するんです。

そしてそれが上手いのなんの。

地方の公立小学校出身の私の経験では、合唱の伴奏なんて2年生でできる子いませんでした(5~6年生でやっとという感じ?)。

それが低学年でも全クラスにちゃ~んと弾ける子、それもただ弾いているだけでなくて曲想が表現できる子がいるのだから、もう驚くしかありません。

 

まぁそんなわけで、みなさん勉強以外にも何らかの特技を持っているケースが多いです。

普通の小学校であれば、少なくとも勉強ができればそれだけで一目置かれると思いますが、附属小学校のようにみんなができる環境だと、「そこそこ」できても目立たないんですよね。

 

何が言いたいかというと、附属小学校では「勉強がそこそこできる」だけでは平凡すぎる、むしろちょっと圧倒される可能性があるということです。

普通の小学校ではそれだけで十分すぎる武器がここでは通用せず、それ+αの何かがないと、良くも悪くも「普通」すぎて、子どもも親も劣等感を抱きがちになる可能性があるのです。

 

ちなみにうちの子は、特に長女にはそれほど目立った特技はありません。

他のお子さんを見るとすごいなぁと思うことが本当に多いです。

うちの子ももっと頑張ってほしいと思うことももちろんありますが、親の方ばかりが自分の見栄や欲望を子どもに押しつけてもいけないと思うので、なるべく何も言わないようにし、子どもが興味を持っていること、好きなことを伸ばしていってあげたいと思っています。

 

デメリットその④:ちょいちょいお金がかかる

 

附属小学校は、当たり前ですが授業料は無料です。

そこは公立小学校と変わりません。

ただ、授業料以外の部分でお金がかかる部分が多いと思うことがよくあります。

 

まず、よほど近所でない限り通学にお金がかかります。

また、月々の学校からの集金が高いように感じます。

このあたりの公立小学校ではどのくらい支払っているのかが分からないので比較のしようがないですが、給食費に月5000円前後、その他教材費や保護者会費などで、多いときには一人月1万円を超える金額を支払います。

制服も公立よりは高価で(冬用制服一式で約3万円、この他体操服やコート[1万円超!]、帽子などの指定あり)、買い換えの度に費用がかさみます。

 

この他、家庭学習にも費用がかかります。

デメリット①でも触れたように、1年生から塾通いが当然ですし、塾以外にも習い事をかけもちしているご家庭が多いです。

 

このように、学校関係にせよ、家庭学習関係にせよ、地域の公立小学校よりは確実にお金がかかります。

授業料が無料だから入学されると、入学後に思わぬ誤算に悩まされることになると思います。

 

このほかにも様々なデメリットがあります。

 

・公立の学童に入れない(または入れても仲間の輪に入れない)

・近所の友達ができない

・学校の友達と遊ぶときは親がかり

・学校行事や参観・PTAに参加するときにいちいち遠い

・通学に時間がかかる

・公共交通機関を使って一人で通学させないといけない

 

などでしょうか。

 

ただ、これらは慣れてしまえば、または他の選択肢/解決策が見つかれば気にならなくなる問題です。

いつまで経っても慣れない、気になる問題をデメリット①~④として今回は挙げさせて頂きました。

 

とはいえ、前も書きましたが附属小学校にはいいところも多数あります。

次回以降は一転してメリット、つまり附属小学校の魅力についてお伝えしたいと思います。