かの有名なメジャーリーガーのイチロー選手は、調子がいいときは球の縫い目まで見えるらしい。

結構有名な話ですね。

かく言う私も野球には多少覚えがあり、学生時代は女性のケツよりも白球を追いかける毎日を過ごしておりました。

が、

どんなに調子が良くても、縫い目どころかバットに当てる事すら四苦八苦。

そんなこんなで今日まで過ごしてきた私に舞い降りた神懸かり的な出来事のお話です。



その日もいつもの食品工場。普段私はカットと呼ばれる主に食品を切ったり、ソースを漬けたりといった食品加工がメーンの部署に勤めております。

ただ、その日はスタッフ不足との事でラインと呼ばれる主にタッパ(弁当箱)に次々と盛り付けていく、食品工場の花形へ配属されました。

ラインでは常にベルトコンベアが起動しており次から次から自分の任された食材を盛り付けていかなくてはなりません。

初めて配属された私も頑張って言われた品を盛り付けるのですが、これがまた難しい。

単調な作業だが、一旦遅れを取り始めるとリカバリーは容易ではない。

ラインに入って数時間が経ち大体の要領を把握し始めた頃、遂にその刻が訪れた。



今までベルトコンベアについて行くのがやっとだった私の指が、腕が、体が、目が、面白い程にスムーズに進む。
むしろ、ラインが止まっているのかと見間違う程だ。まさにイチローのそれと同じ境地に至ったのだ。









程なくして、ラインアナウンスが流れた。

『四角さん、おにぎりの置き方が汚いのでやり直して下さい。』

止まっているように見えたベルトコンベアは実際に止まっており、その原因は私にあったのです。

とほほ。

その日のベルトコンベアは終日私のところで渋滞を起こしておりました。



年末年始、帰省ラッシュによる交通渋滞が予想されます。お車をご利用の際はくれぐれもご用心下さいませ。



追伸…Wワークを考えユニクロの面接で不採用を頂いたのは秘密です。