日本と韓国の鉄道の違いについて
日本では自動改札機を通過する際にICカードなどで
ピッ!
とやって通過しますが,まだ紙の切符を入れる機械も多く存在しています。
韓国はそのシステムは完全に消滅しました。
筆者の初韓国は2005年,まだそのときは日本のような紙の切符が売られていましたが,今は交通系カード(T-moneyなど)でピッ!とやる形に置き換わりました。
(当時,ソウルの地下鉄駅では切符自動販売機と窓口があり,窓口には係員がいて,一番良く売れる切符が無造作に何十枚と置かれていて,それが500ウォンだったか忘れましたが,おつり用の500ウォン硬貨も大量に置かれていました)
さて,韓国の場合,KTXやITXなどの長距離鉄道になると話は変わり,自動改札機はありません。そもそも,改札すらしません。
以前,このブログでも書いたと思う(削除してしまったのか,見当たらない)のですが,韓国は信用乗車方式を採用しています。(自動改札機が壊れやすく,その修理が面倒だからヤメタという話もありますが)
これは,いまや指定席の切符が売れたかどうかはPOS端末で確認でき,もし売れていない座席に誰かが座っていたならその人が勘違いして座っているか,または無賃乗車か,ということになりますので,乗務員が検札するという制度です。
売れていない席に,正当な理由なく座っていようものなら,かなり高額な罰金が科せられます。
乗客が座っている座席が実際に売れているのであれば,誰が座っていようと乗務員にチェックされることはありません。
もし勘違いしてほかの誰かが座っていたとしても,それは客どうし当事者間で解決してください,ということです。
なので,例えば初めて韓国に行った日本人が初めてKTXやITXのチケットを買い,列車に乗ったとすると次のような思考回路に陥ります。
①あれ?自動改札機がないやん。駅員もチェックせ~へんな。ま,いっか。
②え~っと,自分の座席は8-Aだから・・・ここか。
③あれ?乗務員にもチェックされんうちに釜山に着いてしまった。
④あれ?釜山駅でも何の改札もなく出れたぞ?
というわけで,
①これ,改札も検札もないから無賃乗車ラクショーじゃね?
②切符買うのアホくさ。
となるわけです。しかし上記のように,売れてもいない座席に人が座っていたら検札するということは確実にやります。そこで切符を持っていないことがバレると冗談抜きで高額な金額を請求されます。
自分はおそらく100回以上,KTXやセマウル,ITXなどの乗っていますが,車内検札されたのは1回だけです。
その1回とは,釜山から慶州に行くセマウルで,自分の座席番号におばあさんが勘違いして座っていて,韓国語で説明して移動してもらう勇気がなかったので,ガラガラだった車内の違う席に座ったときです。
案の定,すぐに乗務員がやってきて「切符見せろ」みたいなこと言われ,切符を見せながら「自分の座席におばあさんが座っているから」みたいなことを何とか伝えたら,「OK,OK,了解」みたいに言われました。
ということで,ソウルから水原,大田,大邱,釜山などへ行く際に,初めて高速鉄道を利用する日本人旅行者は,いくら自動改札機,改札がないからと言って無賃乗車は高い代償を払うことになりますので,ちゃんと切符は買いましょう。