韓国ネタですが、KTX関連の長文なので、興味ない人はここで退室してください(笑)。

 

1.最高速度、平均速度など

 

20両編成の先頭と最後尾2両のみが動力車(フランスTGV型)。そのため加速は鈍いが長い時間をかけて加速し最高時速は300kmを超える。新幹線は270~280km/hなので、新幹線より速いことが韓国人唯一の誇り。

 

最初は在来線と共用する区間が多く,300km/hどころか200km/hも出せず,まさに宝の持ち腐れであったが,最近は高速専用路線の建設が進み、以前よりだいぶマシになった。

 

また,高速専用区間のおかげで、ダイヤも正確になってきた。以前は出せるところで出していかに時間を稼ぐかという走り方だったのが,270km/h前後で走れば所要時間も短縮できるようになったからだ。(今回乗って観察したところ,最高は約290km/h,高速区間ではおおむね270km/h前後で走行していた)。

 

また、停車駅では到着と発車時刻に2~3分の余裕をもたせていることもダイヤ通りの運行を可能にしている。ちなみに新幹線も1~2分の余裕がある。


比較として、東京-新大阪間約550kmを150分で走る新幹線に比べ,KTXはソウル-釜山間約420kmを160分で走るので,平均速度は新幹線の圧勝。

 

 

2.混雑状況

 

私が乗り始めたころはガラガラで,直前に窓口で指定券を買っても満席だったことは一度もなかったのですが,このような改善がなされてきたことと、運用開始から10年近くたち、安全性や信頼性,認知度があがったのか、最近はかなり混雑しています。秋夕やソルラルは1ヶ月前から買えるチケットは即完売。通常の週末でさえ、夕方の列車は満席状態になります。ダイヤ改正をしても本数が絶対的に不足しているのだと思います。あとは定員が新幹線に比べて少ないこともあるのだと思います。

 

したがって,最近の私は乗る前に自動券売機で予約状況を行き帰りともにチェックして,確実に座席を確保するようにしています。新幹線は座れなくてもよければ立って乗車すればいいだけですが,KTXはその立席の枚数が制限されているため,最悪,どの列車にも乗れなくなって路頭に迷うこともありうるのです。

 

 

3.乗車券、価格など

 

私は外国人専用フリーパス「KR PASS」を購入し,ほぼ毎年乗っています。KTXの普通車指定席は通用期間内完全無料(1日、3日、5日、7日などがある)で、特室(グリーン車)料金は半額で利用できる。ひょっとしたらKTXに乗った距離では日本人の中でもかなり上位にランクインするのではないでしょうか?(笑)

 

正規料金だとソウル釜山間の片道は普通車(一般室)で約58000ウォン。なぜ“約”とつけたかというと、運賃改定(改定で下がったことはないが)が日本より頻繁におきます。ただ週末料金や進行方向とは逆の席など料金が高くなったり安くなったりします。


あと、韓国は地下鉄などの都市鉄道は日本と同じく自動改札機を通りますが、KTXなどの鉄道は改札機がありません。また、指定席では車掌がやってくることもなく改札もしません。初めて乗る人は(自分もそうでしたが)、

 

「上手くいけば、無賃乗車できるんじゃね?」

 

みたいに思うと思います。実際、乗った人はそんな話をしてくれます。しかし、絶対にしないでください。これはモラルの問題というより、韓国は欧州と同じ“信用乗車方式”を採用していて、指定席の販売状況をPOS端末で確認することにより、「売れた指定席に誰が座っていようが我々には関係ない。だって実際に売れている座席なのだから。その席に購入者ではない人が座っていたとしても、本来座るべき人が来た場合は、その人が自分で処置してくれるはずだ」という態度なのです。購入した正規の席に座っている限り、検札されることはありません(私も数十回乗って一度もない)。

 

逆に「この席は売れていないにも関わらず誰かが座っている。」となれば、車掌は「切符を見せろ」となるわけです。切符を持っていなければ厳罰が下されます。気をつけましょう。

 

 

4.路線

 

これもまだまだ発展途上で、これからいろんな路線が建設されていくと思います。新幹線だってはじめは東海道だけだったのが、今は山陽、上越、東北、北陸、長野、九州ができましたね。KTXは京釜線、湖南線がメインで、それに付随した形で在来線と路線を共有している路線も他にあります。湖南線下り列車の始発駅はソウル駅ではなく龍山駅です。これに何の意味やメリットがあるか分かりません。なぜなら、途中の五松駅までは同じ線路を走るわけなので。最近では仁川国際空港へも乗り入れるようになりましたが、空港からソウル駅まではArex空港鉄道と所要時間は全く変わりません。空港から直接木浦などに行く場合は便利です。

 

5.列車設備

 

客車18両のうち特室(グリーン車に相当)は2、3、4、5号車。1列+2列シートで大体12列まであるので、1両あたりの定員は36名ほど。一般室は乗ったことありませんが、2+2列で18列ぐらいで,新幹線より定員はかなり少ないです。数年前まではシネマ列車が1号車部分に連結されていましたが、利用者皆無(笑)?のため今は一般室1号車になっています。

 

車内販売も普通にあります。特室にはミネラルウォーターが無料で出てくる自販機があります。(一般室は600Wで買えるが、特室まで来ればタダでもらえる)また,各種新聞もおいてあり,無料で読めます。車内の天井部分にはTVもついていて,ニュースなどが流れていますが,映画などが放映されることはないと思います。