⒑
⑴
直之と展代の息子ヒロシに成り済ましている、詐欺師の新名、
クリーニング店の蒲島とまみがやってくる。
カバ「頼まれていたクリーニング、持ってきました」
権利書を騙し取る作戦を早く済ませたい新名は独り言で、
新名「次から次へともう…っ!」
新名が厨房に呼び掛け、顔を拭いた直之と展代が現れる。
亜由貴が別のクリーニング品を持ち、クリーニング店から現れる。
亜由「お父ちゃん、間違えてる。それは3丁目の磯辺さんのやつ」
亜由「森田さんのやつはこっちや」
亜由貴がクリーニング品を渡す。
⑵
ここで、変装を終えた健太が現れる。
健太はピンクのレスリング服を着ていて、
股間が盛り上がり、胸毛が見えている。
サングラスをし、束ねていた髪を解き長髪にしている。
漫画『ワンピース』のイワンコフやセニョール・ピンクのような印象。
新名が独り言で、
新名「ヤバいの意味、ちゃう!」
登場時のインパクトで笑いを起こした後、
健太「じゃますんで」
⑶
権利書を騙し取る作戦がスタート。
健太「ヒロシおるか?」
展代が新名に確認する。
展代「あんた、こんなんと知り合い?」
新名が前に出る。
健太「おお、ヒロシ。借金返してもらおうか」
展代「借金!?」
健太「ヒロシは事業で失敗して、多額の負債を抱えている」
展代「ヒロシ、借金って幾ら!?」
新名「5千万…」
展代「5千万!?」
健太「返済期限も疾うに過ぎてる。5千万、
新名「今すぐは無理です! ちょっとだけ待ってください!」
すると、健太があっさり、
健太「分かった。待ったる」
健太が去っていく。
慌てて新名が健太を止め、
新名「帰ったらあかんやろ!」
新名「殴ってこい!」
健太「兄貴は殴れませんて!」
新名「ええから、殴ってこい!」
健太「ええいっ!」
健太が覚悟を決め、
健太が力の入ったパンチを新名に5発喰らわせ、新名が倒れる。
新名が独り言で、
新名「一発でええねん!」
⑷
展代「ヒロシに何してるの!」
展代が健太に詰め寄り、胸毛を毟り取る。
健太「痛ーっ!、何すんねん!」
展代は毟り取った胸毛をなぜか口元に近づけ、
健太「胸毛、捨てんな!(苦笑)」
展代「いや、要らんでしょ!?」
健太「一回口元持っていってたやん!(苦笑)」
展代「食べ物ちゃうし」
健太「ほな、なんで口に持っていった!?(苦笑)」
健太「(行動が)全部おかしい!」
展代は最初は息を吹き掛けて胸毛を飛ばす考えだったのだろうか?
⑸
展代「ヒロシの代わりに私が払います」
新名たちにとって良い流れになり始める。
ここから、展代と健太による今公演最大の見せ場がスタート。
健太「5千万円やぞ! どう工面するねん!」
すると、展代が直之に対し、
展代「あんた、堪忍な…(悲)」
展代はゆっくり座り、仰向けに近い状態になり、健太に対し、
展代「なるべく早く済ませてね…(悲)」
指を噛む、展代。
健太「お婆買うか!」
展代は自分の身体で5千万円払ったことにするつもりのよう。
展代は直之・新名・蒲島・まみ・亜由貴に対し、
展代「みんな、むこう向いといて…(悲)」
四人が壁の方を向く。
健太「なんで向くねん!」
健太「お婆の身体で5千万になるわけないやろ!」
健太「立て! 立ち上がれ!」
展代が素の芸人っぽいツッコミで、
展代「ガンダムみたいに言うた。(苦笑)」
健太が直之・新名・蒲島・まみ・亜由貴に対し
健太「もう終わったから、こっち向け!」
全員が顔を見せる。
蒲島が展代に対し、
カバ「えらいげっそりされて」
展代「なかなかでした…」
健太「何もしてない!」
※
補足
立ち上がれ!→ガンダムみたいに言うた、について
ガンダムは『燃え上がれ』では?と思って調べたところ、
主題歌の歌詞の2番が『立ち上がれ』でした。
展代はああ見えて、なかなかのガンダムオタクですね。
⑹
展代「分かりました」
展代「あなたが経営するいかがわしい店で働かせてもらいます」
健太「なぜ、話をグルグルさせる!?」
直之「妻をよろしくお願いします」
健太「旦那も妻を差し出すな!」
⑺
展代「私の身体があかんなったら、
健太「真っ先に権利書やないか! なんで先に身体やねん!」
健太「なんでお婆の身体で払える思うてるんや!、5千メンやぞ!
展代「メン?(苦笑)」
健太「5千万や! 興奮してもうたんや!」
展代「えっ、うちに?(半笑)」
健太「そういう意味ちゃうねん!(苦笑)」
⑻
展代が土地の権利書を渡すことになり、
新名「お母ちゃん、ええんか?」
展代「あんたがピンチになったら助ける言うたやろ?」
展代「ね?、お父ちゃん」
直之「ん?」
直之は話を聞いてなかったようで、
展代「ちゃんとしてください!(苦笑)」
展代「権利書を持ってきます」
展代が権利書を取りに奥に消える。
その10に続く