直之と展代の息子ヒロシに成り済ましている、詐欺師の新名、一人。

 

うどん屋アルバイトとして働き出した詐欺師・健太が

うどん鉢と額縁を持ち帰ってくる。

健太「ただいま戻りましたニコニコ

 

健太「写真、現像して拡大してもらってきましたよ」

健太が額縁の写真を客席に見えるようにすると、

展代と直之のモノクロ写真が現れ、額縁には黒のリボンが付けられている。

新名「遺影になってるやん!」 笑い泣き

 

新名「なんで俺写ってないんや?」

健太「兄貴が写っていたらまずいでしょ?」

健太「だから、兄貴は除けておきました」

新名「ああ、そうか! 健太、やるやないかウインク

 

展代が「店に写真を飾りましょ!」とは言っていたが、

新名は何故か遺影風巨大写真を客用テーブルのど真ん中に立てて飾る。

 

補足 

『ある人物が遺影風写真を見て勘違いする』

後に起こる展開のために、

①弟分・健太が遺影風写真を作り、

②兄貴分・新名が(うどんを食べるための)客用テーブルのど真ん中に遺影風写真を飾る

一連の行動が極めて不自然な場面になっています。

 

この場面だけは登場人物に自分の意思が無く、

作者の都合で強引に動かされているように映りました。

 

頭部の毛量が少なめの男性(もりすけ)が店にやってくる。

男性「すいません」

新名「お客さん?」

男性「客じゃないんです」

 

男性「オトンとオカンはどこに…キョロキョロ

新名「ひょっとして…!」

男性「息子のヒロシです」

 

健太がヒロシに聞こえないように、小声で新名に対し、

健太「不味いですよ!アセアセ

新名「(俺と)全然似てない!」 笑い泣き

本物のヒロシは子供の頃は新名のような顔立ち・髪型だったのだろうか?

 

健太がヒロシの二の腕のホクロを確認する。

巨大なホクロが現れると感動し、ヒロシに握手を求める、健太。

健太「本物に会えて光栄です!爆  笑

ヒロ「本物?キョロキョロ

新名「あ、いえ…アセアセ

 

新名「どうして、戻ってきたんですか?」

ヒロ「この店を継ぐのが嫌で家を出て、」

ヒロ「東京で起業して成功しましてね」

ヒロ「結婚して子供もできたので、親に会わせようと」

 

新名「何で戻ってくんねん!、ハゲッ!えー

ヒロ「今、ハゲって言いました!?キョロキョロ」 笑い泣き

新名「あっ、いや、ハエですニコニコアセアセ

新名がハエを払うフリをする。

ヒロシに成り済ましている新名にとって、

本物のヒロシはハエのように追い払いたい鬱陶しい存在だろう。

 

勝手に家を出て行って、勝手なタイミングで戻ってきた、ヒロシ。

親の心子知らずで、昔も今も自分勝手に行動し続けている様子。

 

ヒロシの目に(客用テーブルに立て飾られた)遺影風写真が飛び込んでくる。

ヒロ「遺影!?」

ヒロ「えっ、オトンとオカン死んだんですか?」

新名「そっ、そうなんです!アセアセ 亡くなりはった」

ヒロ「えーっ!ガーン

健太「えーっ!ガーン」 笑い泣き

新名が健太に対し、

新名「なんでお前が驚いてんねん!アセアセ

 

新名がヒロシに対し、

新名「そういうことなんで、お引き取りください!アセアセ

ヒロ「帰れませんて!アセアセ

 

健太は独り言のように、

健太「展代さん、『魂取られる』とか言ってたけど、」

健太「僕が撮らなきゃよかった…ガーン」 笑い泣き

新名「後で説明する!アセアセ

 

新名がヒロシに対し、

新名「帰ってください!アセアセ

ヒロ「帰れませんよ!アセアセ

 

と、その時、厨房から直之の絶叫が響く。

直之『助けてくれーっ!!ガーンアセアセ

 

ヒロ「えっ?」

新名「悪霊の雄叫びや!プンプンアセアセ

 

直之が『新名』に対し、

直之「ヒロシー!ガーンアセアセ

うどん粉で顔を真っ白にした直之が厨房から現れる。

ヒロ「わーっ!、オトンのオバケーっ!!ガーンアセアセ

本物のヒロシ目線では顔面蒼白の幽霊に見えている様子。

 

新名「悪霊退散っ!プンプン

新名は両手を合わせ人差し指を突き出し、霊媒師の除霊のフリをする。

 

今度は展代が額にはんぺん△を付けて現れる。

展代「えらいことやー!ガーンアセアセ

ヒロ「わーっ!、オカンのオバケーっ!!ガーンアセアセ

本物のヒロシ目線では、展代は白頭巾をつけた幽霊に見えている様子。

 

新名「悪霊退散っ!プンプン

新名は両手を合わせ人差し指を突き出し、霊媒師の除霊のフリをする。

 

ヒロシが新名に確認する。

ヒロ「もしかして霊媒師のかたですか!?アセアセ

新名「そうです!プンプンアセアセ

 

新名「ここに居たらもっとハゲますよ!プンプンアセアセ

ヒロ「えっ、えっ、えっ!、わーっ!!ガーン

ヒロシにとっては何よりも怖い言葉で、慌てて逃げ去っていった。

 

直之「謝って、うどん粉を被ってしもうた…タラー

 

展代「はんぺん、どこいったんやろ!?タラー

新名「額に付いてる」

展代が額に付いたはんぺんを手にし、

展代「ほんまやニコニコ

 

展代「さっきの人、誰?」

直之「オトン、オカンって言うてたけど…」

新名「警察官が言うてた詐欺師かも…」

直之「気ーつけなあかんな」

 

直之「夕食の準備をしに行ってくるわニコニコ

展代「うどんの仕込みしてくるわニコニコ

二人が厨房に向かう。

新名「(すること)逆なってるよ!?(苦笑)」

詐欺師が近くにいることを実感し、動揺しているのかもしれない。

 

新名と健太、二人になる。

 

新名「実の息子が帰ってきた! 作戦、急がな!アセアセ

新名「借金取り役に連絡してくれ!」

 

健太がスマホで電話をする。

健太「ニコニコ、…びっくり爆  笑

一瞬だけ表情を変えてから、

健太「、全然出ないタラー

新名「一瞬、(電話が)繋がった感じ出てたやん!」 笑い泣き

健太がスマホを仕舞う。

 

新名「どうすんねん!アセアセ

健太「こうなったら、僕が変装して借金取り役をします!」

新名「頼んだ! 顔隠して、ヤバい感じで来てくれ!」

健太「分かりました!」

 

健太は借金取りに変装するため外出していった。

 

 

その9に続く